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中国軍で装備品購入費の水増しや賄賂、根深い腐敗体質…歴代国防相に党籍剥奪処分

読売新聞 / 2024年6月29日 5時0分

 【北京=東慶一郎】中国の元国防相2人が同時に汚職容疑で摘発される異例の事態となり、軍の腐敗体質が改めて浮き彫りになった。7月の重要会議・中央委員会第3回総会(3中総会)を前に、昨年夏から続いた汚職調査自体は一段落したとの見方もある。

 共産党は27日、前国防相の 李尚福 リーシャンフー氏と、その前の国防相だった 魏鳳和 ウェイフォンフォー氏が「職務上の便宜を図って巨額の金銭を受け取った収賄の疑い」により党内で最も重い党籍 剥奪 はくだつ処分を受けたと明らかにした。

 中国軍では昨年夏から、兵器開発や調達を担う「装備発展部」や戦略核ミサイルを運用する「ロケット軍」で大規模な汚職調査が行われていた。李氏は装備発展部、魏氏はロケット軍でトップを務めたことがある。魏氏は 習近平 シージンピン国家主席の信頼が特に厚かったとされる。新華社通信は「忠誠を失い、国防と軍隊建設に極めて大きな損害を与えた」と指摘した。

 軍の内情に詳しい関係者によると、2人は装備品の購入費用や演習経費を水増し請求してキックバックを受け取ったり、人事を巡って賄賂を受け取ったりしていた疑いがある。核ミサイルのサイロ建設を巡っても汚職があった模様だ。

 軍トップでもある習氏は17〜19日、党の「革命聖地」である陝西省延安で各地の軍幹部を集めた「中央軍事委員会政治工作会議」を開いた。約10年ぶりの大規模会議で、習氏は「軍の中に腐敗分子が隠れる場所があっては絶対にならない」と反腐敗闘争の継続を強調した。

 複数の関係筋は、この会議が一連の汚職調査の一区切りだったとの見方を示す。7月の3中総会では調査結果を受けた人事の刷新と現在中央軍事委員会での肩書がない 董軍 ドンジュン国防相がメンバーに昇格するかどうか注目される。

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