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自民党、都議補選で逆風の影響探る…立憲民主党・共産党は衆院選での協力意識し「すみ分け」

読売新聞 / 2024年6月29日 5時0分

 与野党は、28日に告示された九つの東京都議補欠選挙(7月7日投開票)を次期衆院選の「前哨戦」と位置づけ、注力している。8選挙区で候補を立てた自民党は「政治とカネ」の問題を巡る逆風の大きさを探り、立憲民主、共産両党は「すみ分け」で衆院選での選挙協力につなげる戦略を描く。

 自民の小渕優子選挙対策委員長は28日、足立区内で「自民に大変厳しい目が向けられている。心配、迷惑をかけ、心からおわびしたい」と陳謝した。

 自民は9選挙区のうち、5議席を持っていたが、自民幹部は擁立した半数の「4勝以上」を勝敗ラインに挙げ、「決して甘い目標ではない」と明かした。

 派閥の政治資金規正法違反事件で、党の処分を受けた元安倍派の萩生田光一・前政調会長、下村博文・元文部科学相の地元は特に強い逆風が想定される。萩生田氏は28日、八王子市で「逆風の原因を私自身が作ってしまった。信頼回復に全力を挙げなければならない」と強調した。下村氏は板橋区内で「政治の信頼は私自身が取り戻していかなければならず、都議補選と関係のない話だ」と訴えた。

 公明党は今回、都議補選が行われる複数の選挙区に現職がおり、来年夏の都議選で自民と争うため、自民候補に推薦を出しておらず、「基本的に静観する」(石井幹事長)という姿勢だ。関係を重視する小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党・都民ファーストの会が自民と競合しており、小池氏に配慮する思惑もあるとみられる。

 一方、立民は「非自民票」の受け皿を一本化するため、擁立を3人に絞り、共産と計7選挙区ですみ分けた。

 立民の泉代表は28日、足立区の立民候補の選挙カーに乗って遊説した。共産の田村委員長は板橋区内で「都議補選も共闘で政治を変えよう」と声をからした。立民幹部は「補選での勝ち星の行方は、衆院選の『立共協力』のあり方を左右する」と指摘した。

小池氏、都民ファ候補応援を見送り

 都議補選では、同日投開票される都知事選の候補者たちの動向も注目される。

 自民党の支援を受けて知事選で3選を目指す小池百合子氏は28日、自身が特別顧問を務める地域政党・都民ファーストの会の補選候補の応援を見送った。3選挙区で都民ファと争う自民に配慮した形で、小池氏はこの日の定例記者会見で「知事選に集中していきたい」と述べた。

 自民は知事選での支援と引き換えに、都民ファと競合する補選の選挙区で小池氏が都民ファだけを応援しないよう求めていた。だが、小池氏にとって自民との共闘は、都民ファの弱体化につながりかねず、今後の方針は定かではない。小池氏が都民ファの応援に入ることを警戒する自民関係者は「小池氏との連携は不透明だ」と語る。

 知事選と補選を巡る思惑のずれは、前参院議員の蓮舫氏を支援する立憲民主党と共産党の間にもみてとれる。

 共産の小池書記局長は「(補選は)知事選と一体だ」と強調するが、立民関係者は「蓮舫氏が補選の立民候補を応援すれば、『共産も』という話になる。双方を応援するのは物理的に難しい」と慎重な姿勢を崩さない。

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