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高齢姉妹の2000万円横領容疑の介護施設元社長、養子縁組で偽装工作か…姉妹「元社長に頼まれた」

読売新聞 / 2024年6月29日 10時0分

大阪府警察本部

 大阪市鶴見区の介護施設に通う高齢姉妹の財産を着服したとして運営会社元社長が逮捕された事件で、姉が昨年夏に熱中症で救急搬送された後、妹と施設職員が養子縁組していたことが捜査関係者への取材でわかった。姉妹は元社長に頼まれたと話しており、大阪府警は、着服を不審に思われにくくするための偽装工作だったとみて調べる。

 府警によると、施設運営会社「アッラサルテ」元社長の男(38)は2021年5月〜23年7月、80歳代の姉妹の預金口座から無断で約2000万円を引き出すなどしたとして業務上横領などの容疑で逮捕された。「お願いされたのでやった」と容疑を一部否認している。

 姉妹は施設に通っていた21年、男に財産管理を委ねる契約を締結。22年に住んでいた大阪市内の戸建て住宅を不動産業者に売り、府警は代金約800万円が男に渡ったとみている。姉妹はその後、同市内の賃貸マンションに移ったが、室内にエアコンはなく、23年7月末、姉が熱中症で救急搬送された。

 捜査関係者によると、同年8月4日、妹を養母、施設職員の女性を養女とする養子縁組届が鶴見区役所に提出され、男の名前が証人欄に記載されていた。その後、姉妹は東大阪市内のアパートに引っ越し、職員も同じアパートの別室に転居した。

 姉妹から男に口座を管理されていると聞いた知人でマンション清掃員の女性の夫らが同月16日、府警に相談し、被害が発覚した。姉妹はその後、この女性に「連絡を取ったり、お会いする気もございません」と記した手紙を送っていたという。

 姉妹は府警に「(男に)養子縁組を頼まれた。突然車に乗せられて東大阪のアパートに連れて行かれた」と説明。さらに「言われるがままに手紙を書いた。固定電話を置きたかったのに職員に拒否された」と話したという。

 府警は、男が姉妹を周囲から隔離しようとしたとみている。

「恐怖心で服従させられたのではないか」相談受けた女性

 姉妹から男について相談を受けていたマンション清掃員の女性が取材に応じ、「2人は恐怖心から男に従わざるを得ない状況だったのではないか」と語った。

 女性は手紙を受け取った後の昨年10月下旬、姉妹が転居した東大阪市のアパートを訪問した。女性が部屋に入ると、妹に「出ていってほしい」と何度も強く求められた。理由を尋ねると、妹は「(男らから)『裏切った』と怒られる」と説明。姉は養子縁組について「(無理やり)させられた」と話したという。

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