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南こうせつ、元祖フェス「サマーピクニック」に終止符へ…「一番は体力的なこと」「若い人に譲る」

読売新聞 / 2024年6月29日 15時14分

「縄文時代、シカが捕れたら村中で踊ったりしたでしょう。そういうものが、私のDNAの中にあるんでしょうね」と語る=佐藤俊和撮影

 南こうせつが今年、ライフワークだった「サマーピクニック」に終止符を打つ。現代の音楽フェスティバルの源流ともいえる野外イベントで、「そういったムーブメントは若い人に譲っていくのが一番美しいのかな、と思っています」と語る。(鶴田裕介)

 1981年の初開催から43年。9月23日に「ラストサマーピクニック in 武道館」を東京・九段下の日本武道館で開催し、歴史に幕を下ろす。「おいちゃん」と呼ばれてファンに親しまれる75歳は「(終了する理由の)一番は体力的なこと」と率直に打ち明ける。

 自らが開催することと、招かれて出演するのとは責任の重みが全く違うという。「警備を全部掌握し、チェックするだけでいっぱいいっぱい」。実は5年前の前回の開催時も「さよなら、またね」と副題をつけ、ラストをにおわせていた。「ちょうど70歳で終わりにしようと思ったんです。でもファンから『あの時またね、って言いましたよね』と責められまして」と笑う。

 サマーピクニックは初回の熊本以来、90年まで九州各地で10年連続開催。その後もたびたび復活してきた。野外公演、複数ミュージシャンの出演、継続性という点で見ても現在の音楽フェスの原型と位置付けられるが、その元となったのは、あの「つま恋」だった。

 伊勢正三・山田パンダと組んだフォークグループ「かぐや姫」と吉田拓郎が、75年に静岡県掛川市のリゾート施設「つま恋」で共演したオールナイト野外コンサートのことで、「自由で誰にもしばられることなく、朝日が昇るまで歌い、演奏した。すごい体験でした。何年かたち、誰も(続きを)やらないから、じゃあ僕がやろうと」

 81年の初回は交通の不便な山奥をあえて会場に選び、「来られるもんなら来てみろ」とラジオで呼びかけた。「相当な信念を持っていないと来られないだろうと思って」。ところが当日は大雨と雷で中止の憂き目に。「豪雨の後、マイクが1本使えたので、ギター1本持って しょうやん(伊勢)と歌いました。そこで『俺は来年もやる。少なくとも10年続ける』って、言わなくていいことを言ったんですよね」

 それから43年。今回は悪天候でも開催できるように屋内の日本武道館を選んだ。さだまさし、森山良子がゲスト出演するほかは当日のお楽しみだが、イベントのテーマソングのようになっている「あの日の空よ」を始め、「神田川」「妹」などの代表曲は歌おうと思っている。

 “元祖”の立場から、今の音楽フェス全盛時代をどう見ているのか。「元来、日本人はお祭りが好きなんでしょうね。経済が生んだ、新しいお祭り。それを自然の中でやるというのがポイントで、何だか救われるな」

 (電)0570・550・799。

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