精神疾患で労災認定、過去最多883人…カスハラ原因は52人
読売新聞 / 2024年6月29日 19時29分
仕事のストレスでうつ病などの精神疾患を発症し昨年度に労災認定された人は、過去最多を更新する883人(前年度比173人増)だったことが厚生労働省のまとめでわかった。労災の認定基準として昨年度から追加された「カスタマーハラスメント」が原因だったのは52人だった。
労災認定された人の年齢別では、40歳代が239人と最多で、20歳代が206人、30歳代が203人で続き、39歳以下の若年層が約半数を占めた。原因別では多い順に、「上司らからのパワハラ」が157人、「悲惨な事故や災害の体験、目撃」が111人、「セクハラ」が103人だった。自殺や自殺未遂をした人は、前年度比12人増の79人に上った。
顧客らから理不尽な要求を突きつけられるカスハラは昨年9月、労災の認定基準に新たな類型として追加された。接客業や介護、看護などの職場で多く働いている女性が被害に遭いやすいとされ、認定された52人のうち45人が女性だった。
厚労省の担当者は、精神疾患の労災が増えている理由について「精神障害も労災認定されるとの周知が進んだほか、認定基準の改正で心理的評価の項目が出来事別に拡充され、労働者が自分に起きた出来事がどれにあたるか判断しやすくなったこともある」と話している。
一方、過重労働などによって脳や心臓疾患を発症して労災認定を受けた人は、前年度比20人増の214人(うち死亡者は56人)。職種別では、トラック運転手などの「自動車運転従事者」が64人で最多だった。
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