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金融・資産特区 地域色を生かし資金呼び込め

読売新聞 / 2024年7月1日 5時0分

 地域の強みを生かして経済を発展させていくためには、国内外からの投資資金を呼び込んでいくことが重要だ。

 政府は、東京都、大阪府・大阪市、福岡県・福岡市、北海道・札幌市の4地域を「金融・資産運用特区」に指定した。特別な規制緩和や拠点開設の支援策で、海外の資産運用会社などを誘致するのが狙いだ。

 政府は年度内に、日本での事業の登録手続きに英語で対応する開設支援の拠点をすべての特区に設置する。外国人投資家が特区内に居住し、地元などの新興企業に投資することを念頭に置き、新たな在留資格の創設を検討する。

 資産運用会社は、顧客から預かった資金を使って、投資活動を行っている。日本では、証券会社や銀行など大手金融グループ傘下の会社が中心だ。一方、欧米では、独立系が高度な運用力を持ち、運用額の規模もはるかに大きい。

 海外勢と国内勢との競争が活発になれば、国内外の投資資金が集まることが期待できよう。

 日本では、2000兆円を超える家計の金融資産の半分以上を現金・預金が占める。日本経済が成長を続けるためには、これを積極的に事業への投資に回し、産業の発展につなげ、家計にその利益を還元する好循環が不可欠だ。

 資金を生かすために、何よりも重要なのは魅力的な企業やプロジェクトを育てていくことだろう。東京や大阪が国際金融センターの核として発展することは大切だ。また、地方の潜在力も高い。

 北海道は、脱炭素社会を目指すGX(グリーントランスフォーメーション)関連で、企業や人材の集積を目指すという。

 洋上風力発電に適したエリアが道内には多い。政府は、設備の建設や保守に外国籍船を利用しやすくなるように規制を緩和し、作業船不足に対応する。

 道内では、先端半導体の国産化を目指す「ラピダス」の工場建設が進み、国内最大級のデータセンターの計画もある。再生可能エネルギーの供給を増やせば、工場などの脱炭素化を進めたい企業のさらなる進出が見込めるだろう。

 福岡は高い成長が見込めるアジアと地理的に近い。産官学の連携組織が、既に香港、台湾の資産運用会社など、国内外の24社の誘致に成功したという。地元の新興企業の育成に向け、資金の呼び込みを加速させたい考えだ。

 過度にリスクを取る運用が広がり、家計の資産が損なわれないよう投資の管理も大切になる。

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