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旭川の中2、自殺直前まで「こわい」「死」投稿4000件…市再調査委が解析

読売新聞 / 2024年7月1日 7時15分

今津市長への報告を終え、記者会見する再調査委の尾木委員長(右)ら(30日午後3時34分、旭川市で)=原中直樹撮影

 2022年9月に答申された北海道旭川市教育委員会の第三者委員会の最終報告では「不明」となっていた、中学2年生だった広瀬 爽彩 さあやさん(当時14歳)に対するいじめと自殺の因果関係。30日に公表された市の再調査委員会の報告では、丁寧な調査を基に「自殺の主たる原因だった」と結論づけた。報告では、広瀬さんの死を巡る学校や市教委の責任も指摘した。一方、直前に起きた第三者委の報告書とみられる資料の流出問題を受け、正式な答申の時期を遅らせざるを得ないという異例の事態にもなった。

 第三者委の報告書などによると、広瀬さんが上級生からいじめを受けていたのは19年4〜6月頃。転校などを経て、凍死体で見つかるまでは1年半以上もの時間が経過する中、いじめと自殺の因果関係が認められるかが最大の焦点となっていた。

 再調査委は、遺族から提供を受けたSNSの投稿に関するデータを詳細に解析した。自殺直前まで投稿された約4000件の投稿に「こわい」「死」など、長期にわたっていじめの被害に関わる言及を確認。

 「(広瀬さんにとって)いじめ被害が過去のものとはならず、死にたいという思いが何度も湧き出る中、死を決意させたと判断することは困難ではない」と判断し、「いじめが存在しなければ、自殺は起こらなかった」と因果関係を認めた。

 この日の報告では、学校や市教委の対応も、広瀬さんを巡る問題を「いじめ」として扱わず意図的に 矮小 わいしょう化して早期の事態収束を狙ったと指摘。

 転校先にいじめに関する引き継ぎがなかった点についても「いじめによる心身の苦痛を考慮し、市教委による必要な指導助言があれば、違った結果になったかもしれない」と問題視した。

 この日、今津寛介市長への報告後、市内で記者会見した再調査委の尾木直樹委員長は冒頭、流出問題について「前代未聞だ」と言及。亡くなった広瀬さんに対しては「つらかったね。周りの大人も気づけず、おわびしたい。二度とこういうことが起きない教訓を導き出し、頑張っていくことを約束したい」と語った。

 再調査委の結果を受け30日、遺族の代理人弁護士は「完成度の高い画期的な調査結果と受け止めている」と評価。「爽彩さんと同じ悩みや苦しみ、孤立を感じている子どもたちを救うため、調査報告書が各地で活用されることを願う」とコメントした。 

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