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母乳の栄養成分「トリカプリン」、おなかの大動脈瘤を縮小させる可能性…治療薬候補として臨床試験

読売新聞 / 2024年7月1日 11時24分

 母乳などに含まれる栄養成分「トリカプリン」が、おなかの大動脈にできたこぶを小さくする可能性があるとして、大阪大の研究チームは、腹部大動脈 りゅうの患者を対象に、治療薬候補として服用してもらう臨床試験を行うと発表した。

 腹部大動脈瘤は、おなかの大動脈が動脈硬化でしなやかさを失い、もろくなった血管の壁が膨らんでこぶを作る病気。自覚症状がないまま進行し、突然破裂して命を落とすこともある。

 チームの 樺敬人 かんばたかひと・同大特任研究員(循環器内科学)によると、国内の推定患者数は100万〜180万人で、こぶが5センチ以上になると、有効な治療は、人工血管に置き換えるなどの手術に限られる。

 トリカプリンは母乳やココナツミルクなどに含まれる中性脂肪の一種で、主成分とする健康食品を同大などが開発。近畿大などと行ったラットの実験では、血管が丈夫になり、こぶを縮小させる効果がみられた。

 臨床試験は大阪大病院で実施する。こぶが4・5センチ以下の患者10人(50〜85歳)に、この健康食品を毎日3回、1年間服用してもらう。樺特任研究員は「有効性がわかれば、手術の前に投薬治療ができるようになる可能性がある」としている。

 加藤雅明・森之宮病院(大阪市)心臓血管外科顧問の話「手術よりも薬の方が患者の負担は軽く、治療薬として実用化されれば積極的に使っていきたい。今回の臨床試験で、こぶが縮む詳しい仕組みの解明も期待したい」

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