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億ション、周辺の地価も引き上げ…首都圏の昨年の発売戸数がバブル超え

読売新聞 / 2024年7月1日 14時49分

東京都心ではタワーマンションの建設が相次いでいる(東京都中央区で)

 国税庁が1日に発表した路線価は、全都道府県の半数超の29都道府県で平均変動率がプラスとなり、全国でも3年連続で上昇した。コロナ禍を乗り越えた観光地では店舗需要が拡大し、東京都心では高額マンションの供給が続いている。

延伸効果

 「新幹線の延伸を機に、福井土産の『定番』を聞かれることが多くなった。県外から訪れる人が増えたことを実感している」

 3月16日に延伸開業した北陸新幹線金沢―敦賀間にある福井駅(福井市)。駅前のビル内にある店舗で伝統工芸品や地元食材を扱う「大津屋」の小原渓子さん(29)は、延伸効果による街の変化をそう話す。

 近くの福井駅西口広場通りの路線価は前年比で8・6%上昇し、都道府県庁所在地の最高路線価の上昇率では全国5位となった。駅構内には土産物などを売る商業施設「くるふ福井駅」も延伸開業の当日にオープン。大津屋の売り上げも伸びているといい、小原さんは「今夏の行楽シーズンは観光客のさらなる来訪に期待したい」と語った。

万博に期待

 来年4月に開幕する大阪・関西万博の会場周辺でも、路線価が上昇した。

 万博会場となる人工島・ 夢洲 ゆめしまへの玄関口の一つとなる大阪メトロ弁天町駅(大阪市港区)近くでは、ホテルやマンションなどの建設が相次ぎ、付近の路線価は10・6%も上昇した。

 万博来場者は2820万人と想定され、経済波及効果は3兆円近くに上ると試算されている。りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「万博や再開発などが路線価の上昇を 牽引 けんいんした。大阪の湾岸エリアでは万博後にカジノを含む統合型リゾート(IR)の開業も予定されており、上昇が加速する可能性もある」と指摘した。

バブル超え

 路線価が前年比プラス5・3%となった東京都内では、駅前など利便性が良い地域を中心にマンションの建設が相次いでいる。

 不動産経済研究所によると、昨年の東京23区の新築マンション1戸あたりの平均発売価格は初めて1億円を超え、1億1483万円となった。こうした「億ション」は同年、神奈川、埼玉、千葉を含む首都圏で計4174戸発売され、バブル期の1990年の3079戸を上回り、過去最多となった。

 同研究所の松田忠司上席主任研究員は「従来は地価上昇に伴ってマンション価格が上がったが、最近は資材や人件費を含む建築費の高騰で価格が上がり、周辺の地価を引き上げている」と分析。「高額マンションを購入できる層は限られるが、都心を中心に需要はまだ十分にあり、路線価も当面は上昇が続くだろう」とみている。

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