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ドーハの悲劇の映像「一生見ることはない」、サッカー日本代表・森保一監督が語る唯一の「後悔」

読売新聞 / 2024年7月2日 10時0分

 サッカー男子日本代表の森保一監督が、読売新聞ポッドキャスト「ピッチサイド 日本サッカーここだけの話」に出演した。番組MCで元サンフレッチェ広島の槙野智章さんとの思い出に触れつつ、現役時代に指導を受けたハンス・オフト監督、今も映像を見ないという「ドーハの悲劇」についても語った。

槙野さんとの「師弟」関係

 二人は槙野さんが小学生だった頃からの付き合い。サンフレッチェ広島時代はコーチと選手の間柄で、日本代表では2007年のU−20ワールドカップ(W杯)、2018年W杯ロシア大会でもコーチ・選手として共に戦った。

 森保監督は「(槙野さんを)指導はしてないですね」と笑いつつ、「マキが広島のユースにいたとき、私はサンフレッチェの巡回コーチをしていてユースの練習に何度かうかがったことがあるんですけど、その時に『ポイチ(森保監督の愛称)お前やれよ』みたいな感じで(練習の指導を)やらせてもらって。グダグダな練習もあったんですけど、その時に一人だけ声を出して『ドンマイ、ドンマイ!やろうぜぇ!』みたいな感じで言ってくれたのは、すごく覚えていますね」と振り返った。

 ピッチ外での槙野さんの姿も印象に残っているという。

 「オン・ザ・ピッチもオフ・ザ・ピッチもみんなで頑張ろうぜっていう雰囲気づくりをしてくれてありがたかった。食事時間のコミュニケーションってすごい大きいじゃん。槙野がいた時がこれまでの代表の中で一番、食事会場にいる時間が長かったんじゃないのかな。いろんな選手を巻き込んで、コミュニケーションを取ってくれて、いい雰囲気を作ってくれていたのがすっごい印象に残ってます」

 槙野さんは遠藤航選手(リバプール)からこう言われたという。「(槙野さんたち)やんちゃでうるさい先輩たちがいなくなったけども、食事の時間がグッと短くなりました」

 森保監督も「そこって大切で、食事会場でサッカーの話もするし、雑談もする。お互いを知るのと、共有して一つになっていくところは大きいかなと思って。(槙野さんが)意図的にやってくれてたんだなっていうのは感じますね」と共感した。

GKで全国大会に

 森保さんはもともと野球少年だった。サッカーをやり始めたのは小学校高学年になってからだ。

 「小学6年生からサッカーだけをやるようになりました。それまではどちらかというと野球をやっていて、将来の夢はプロ野球選手だったけど、5年生の時にサッカーの指導をしている先生が赴任してきてやりはじめた」

 小学6年で出場した少年サッカーの全国大会ではゴールキーパーを務めた。

 「第4回全日本少年サッカー大会に出ましたけど、サッカーを始めたばっかりだから、めちゃくちゃ下手で。全国大会のメンバーに選ばれるような力はなかったんですけど、キーパーがけがをして、全国大会に間に合わないということで、なぜかそのままキーパーで県大会の予選をやって、全国大会まで行きました」

影響を受けた監督

 高校卒業後、マツダサッカークラブ(現・サンフレッチェ広島)に入団。クラブで指揮を執っていたのが、後に日本代表監督になるハンス・オフト監督だった。

 「『楽しく、厳しく』っていうのはすごくありました。あと、選手の適材適所を見極めてポジションを与える。ピッチの11人の役割を明確にするという印象を強く持っています」

 監督としてオフトさんから受けた影響は大きい。

 「いろいろな監督のいいところを吸収させてもらっているが、オフト監督からの影響は大きかったと思います。勝つために厳しくトレーニングはするけど、同時に『楽しくやろうよ』っていうところはオフトさんが教えてくれた。練習は1時間半ぐらいがマックスで、ただすっごいハード。新人の頃は体力がついていかず、クールダウンで走れなくなることもあった。怒られて、厳しく戦術的なことも言われるんだけど、いつも笑ってんの。『ハッハッハー』みたいな。『楽しく、厳しく』を体現してる人だなって当時を思い出しますね」

あの歴史的な試合

 オフトさんはマツダSCの監督を退任後、日本代表監督に就任。森保さんもオフト・ジャパンでボランチとして定位置を勝ち取る。しかし、「ドーハの悲劇」の試合映像は今も見ていない。

 「見てないですね。おそらく一生見ることはないですね。試合全体は1回も見たことないです。(後半ロスタイムに失点する)そのシーンはメディアで見るって感じ。試合を振り返って見ようっていう気には全然ならないですし、おじいちゃんになって、この仕事を引退したら分かんないですけど、多分見ることはないだろうなと思います」

 後悔だろうか、こう振り返る。「完全に守りしか考えてなくて。ゴール前を固める守りしか考えてなかったからっていう試合の流れはありますね。最後、ボールを奪いに行く守りができていれば、結果は変わっていたんだろうな」

 夢が手のひらからこぼれ落ちたつらさ、夢をかけて戦う厳しさだけが心に刻まれているという。

プロフィル

森保一(もりやす・はじめ)

 サッカー男子日本代表監督。長崎日大高卒業後、サンフレッチェ広島の前身・マツダサッカークラブ入団。Jリーグ開幕後はサンフレッチェ広島の中心選手として活躍。日本代表「ドーハの悲劇」メンバー。指導者としては2012年〜2017年にサンフレッチェ広島監督。2018年からは男子A代表(SAMURAI BLUE)監督。2021年の東京五輪男子代表監督も兼任した。1968年生まれ。長崎市出身。

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