1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 政治

防衛省が初のAI活用方針、レーダーの目標探知など重点7分野…防衛相「課題克服の技術になり得る」

読売新聞 / 2024年7月2日 11時31分

防衛省

 防衛省は2日午前、人工知能(AI)の活用に関する初の基本方針を決定した。少子高齢化が進む中でも自衛隊の体制を維持するため、AIで「隊員の負担軽減と省人化・省力化に取り組む」とし、レーダーや衛星画像による目標の探知・識別など7分野で重点活用を進める方針を示した。

 基本方針は、米国や中国などがAIの軍事利用に力を入れていることを踏まえ、新しい戦い方への対応や人員の効率的な運用が急務となっており、AIの活用を巡り、「我々は今、後れをとって非効率で旧態依然の組織となるか(どうかの)分岐点にある」と指摘した。

 そのうえで、AIには誤りやバイアス(偏見)といった危険性も伴うとして、「AIが行うのは人間の判断のサポートで、人間による関与を確保することが必要だ」と強調した。

 AIを重点活用する7分野は、目標の探知・識別のほか、▽SNSなどの膨大な情報の収集・分析▽指揮官の判断支援▽装備品の需要予測など、後方支援の効率化▽無人機などの制御▽サイバーセキュリティー能力の向上▽事務作業の効率化――からなる。

 基本方針では、AIが標的を選択して攻撃する「自律型致死兵器システム( LAWS ローズ)」については、「人間の関与が及ばない完全自律型の開発を行う意図はない」とする政府方針を明記。国際人道法などとの「法的適合性」を確認し、AIを使った装備品の研究や導入を進める考えを打ち出した。

 また、防衛省は2日、サイバー分野の人材確保に関する「サイバー人材総合戦略」も取りまとめた。

 陸上自衛隊にサイバー防衛隊などへの配属を前提に、サイバーに特化した試験区分を新設し、2025年度から募集を開始するとした。陸自高等工科学校(神奈川県横須賀市)で25年度をメドにサイバー教育課程の定員を30人から60人に倍増することも盛り込んだ。

 木原防衛相は閣議後の記者会見で「AIやサイバーは、人口減少などの課題を克服する技術になり得る」と述べ、積極的に活用する姿勢を示した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください