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聖武天皇の大嘗祭、平城京に烏賊・干鰒・梨子・栗など山海のグルメ…木簡の荷札で判明

読売新聞 / 2024年7月2日 18時33分

平城京跡から出土した「烏賊」の文字が記された木簡(右端)(2日午前、奈良市で)=大塚直樹撮影

 平城京跡(奈良市)で今年2、3月に大量出土した木簡の調査で、天皇の皇位継承儀式「 大嘗祭 だいじょうさい」に用意する物品として、平安時代の法令集「延喜式」に記述がある「 烏賊 いか」や「 干鰒 ほしあわび」など約20種類の荷札が確認された。奈良文化財研究所が2日発表した。奈良時代の大嘗祭に関する資料は乏しく、木簡群が当時の儀式の詳細を考える上で貴重な資料になるという。

 奈文研は、平城京跡の朱雀門付近で3月まで発掘調査し、2600点以上の木簡を発見。この中から、724年にあった聖武天皇の大嘗祭の貢ぎ物に付けたとみられる「大嘗」と書かれた木簡を初めて確認した。

 今回の木簡群も同じ穴から出土したもので、洗浄作業の結果、「 梨子 なし」「栗」などの文字も確認した。地方から都へ送る際に付けられたと考えられる。

 延喜式には大嘗祭の規定があり、神への供え物として海産物や果物などの記載がある。木簡に書かれた物品はそれらと一致しており、延喜式の条文の基となる規定が、聖武天皇の時代まで遡る可能性がある。

 また、荷札や付け札とわかる約180点のうち、備中国(現・岡山県西部)から送られたとみられる木簡が約120点あり、同国内にあった9郡の地名が全て記されていた。他に国名のわかる木簡は現時点で、安房国(現・千葉県南部)や周防国(現・山口県南東部)しかなく、奈文研の山本崇・歴史史料研究室長は「なぜ備中国に集中しているのか、検討する必要がある」と話している。

 渡辺晃宏・奈良大教授(日本古代史)は「これだけ一国に集中して、数多くの品目の木簡が出た例はなく、国を挙げて大嘗祭に関わったことを示している。これまで注目されてこなかった備中国をどう理解するかが、今後の課題だ」と話している。

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