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心配された雨は遠のき、松本で7年ぶり巨人戦…ファンはオレンジのタオル振って歓喜

読売新聞 / 2024年7月3日 7時16分

 長野県松本市のセキスイハイム松本スタジアム(松本市野球場)で2日に行われたプロ野球セ・リーグ公式戦「巨人―中日」。松本で巨人軍公式戦が開かれるのは7年ぶりで、大勢のファンが歓喜し、スタジアムは熱気に包まれた。試合は1―2で巨人が敗れた。

 午後5時を回ってスタンドに照明がともると、四方の山の端はいっそうくっきり映えた。心配されていた雨は遠のいたようで、球場スタッフの村松広輝さん(27)は「天気予報をみては一喜一憂を繰り返していた。曇天が何とか耐えてくれた」と、試合開始直前の作業に精を出した。

 一回の途中から雨がぽつりぽつりと降り始め、多くのファンが不安そうに空を仰ぎ見た。そうした中、二回一死三塁で若林楽人選手が低めの球をすくい上げるように先制の左前適時打を放つと、スタンドは大盛り上がりに。

 一塁側内野席にいた松本市の会社員(60)と、妻(52)は「やったね。若林よくやった」と大きな歓声。スタンドでは、多くのファンがジャイアンツカラーのオレンジのタオルを頭上で振って喜びを爆発させた。

 五回一死二塁で中日の福永裕基選手から逆転の2点本塁打が左中間スタンドに放り込まれると、「あー」という落胆の声がこだました。「1点はしょうがないけれど、2点はもったいない。何とか守ってほしい」。岡谷市の無職の男性(83)は隣の妻(77)と声を振り絞り、祈るようにグラウンドを見つめた。

 その直後も中日の攻勢は続いた。田中幹也選手がはじき返した浅めのフライを、門脇誠選手がバックハンドで好捕。ユニホーム姿で仲間と観戦していた松本市の自営業の男性(39)は思わず、「さすが、侍ジャパン」と両手を上げて叫び、巨人の反撃を信じた。このファインプレーが流れを止めたのか、この後、中日も追加点を挙げられなかった。

 注目の九回、巨人は追加点を挙げられなかった。それでも両チームの息詰まる攻防にスタンドからは大きな声援が送られた。入場者数は、主催の巨人軍発表で1万7547人。

始球式に小4佐藤君

 試合前の始球式には、少年野球チーム「長土呂スポーツ少年団」(佐久市)の選手が参加した。

 投手を務めたのは小学4年生の佐藤宝君(9)。先発の山崎伊織投手からボールを渡され、力強く直球を投じると、キャッチャーミットにノーバウンドで届き、大きな歓声に包まれた。

 事前に両親から「スピードよりも、コントロールを意識して」と助言された佐藤君。始球式を終え、山崎投手から「良いボールだったね」と褒められたといい、「この言葉を胸に、これからの試合でも投げていきたい」と笑顔で話した。

「巨人が勝ってほしい」

 試合前の入場ゲートには、オレンジ色のジャイアンツグッズを身につけ、試合を待ち望む多くのファンらが列をつくった。両親と共に訪れた松本市の小学生は、7年前に松本市野球場で行われた巨人戦も観戦したという。巨人軍のTシャツを着て来場し、「巨人が勝ってほしい」と再び勝利を願った。

 列の先頭に並んでいた松川村の会社員(60)は「岡本選手に外野席までボールを飛ばしてもらい、素手でキャッチしたい」と目を輝かせた。

職業体験、贈呈式松商生徒ら演奏

 入場ゲートでは、養護学校2校の生徒約15人が、応援グッズを配布する職業体験も企画された。入場前には、丸佳浩選手や高梨雄平選手らと交流し、県寿台養護学校中学部の3年生(14)は「ファンのみんなが笑顔で応援グッズを受け取ってくれ、とても熱気があった。巨人の選手もかっこよかった」と話した。

 試合前のセレモニーでは、松本市から贈られる特産品のスイカの贈呈式が行われ、両チームの選手らが、市のマスコットキャラクター「アルプちゃん」から目録を受け取った。

 松商学園高校の吹奏楽部による演奏も披露され、観客の盛り上がりは最高潮に。野球応援の定番曲「アフリカンシンフォニー」と、同部の伝統曲「宝島」の2曲が奏でられた。副部長の3年生(17)は「たくさんの拍手をもらって、特別な経験になった」と振り返った。

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