3年ぶりウィンブルドン初戦突破の西岡良仁、芝攻略のヒントは「王者アルカラスの握り方」
読売新聞 / 2024年7月3日 10時30分
【ウィンブルドン(英)=小石川弘幸】テニスのウィンブルドン選手権は2日、ロンドン郊外のオールイングランド・クラブで男女シングルス1回戦が行われ、男子の西岡良仁(ミキハウス)は6―2、7―6、2―6、6―3でヌノ・ボルジェス(ポルトガル)を破り、3年ぶりに2回戦進出を果たした。ダニエル太郎(エイブル)は第11シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)にストレート負け。錦織圭(ユニクロ)はアーサー・リンダークネシュ(仏)と対戦し、1セットずつを奪い合った第3セット途中に日没順延となった。女子で初出場の内島萌夏(安藤証券)は第10シードのオンス・ジャブール(チュニジア)にストレートで敗れた。
ヒントになったのは、前回大会で初優勝し、6月の全仏オープンも制したスペインの若き王者の球筋だった。「(カルロス)アルカラスのフォア、いいなあ」。西岡は、苦手な芝の対策として、少し浅めのラケットの握り方をまねてみた。
これまでは「芝の勝ち方、点の取り方が分からなかった」。速いサーブの相手に対し、回転をかけて返すまではできるが、そこからの攻め手がない。準備期間はわずか1週間だったが、新たな握りで体を大きく使い、低く直線的な球を返す練習をしてみた。
同じ芝の大会で、前哨戦となる6月下旬のロスシー国際では「想定外」という準々決勝進出。「(芝シーズンの)いいスタートが切れた」と自信を持って、今大会に臨んだ。
低い球で深く返し、主導権を握った。2セットを先取した後、「勝ちたい(気持ち)が大きくなった」という第3セットを失ったものの、第4セットは3―3からの3ゲームを連取して勝ちきった。
「グリップを変えて、攻められるようになった」と西岡。ハードコートでも試してみるという。28歳で、新たな武器を手に入れた。(小石川弘幸)
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