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都知事選の執行費用は59億2400万円、掲示板設置・政見放送の経費・公報印刷代…全て都が負担

読売新聞 / 2024年7月3日 13時30分

データでみる都知事

 有権者が1100万人を超す全国最大の首長選、東京都知事選を執行するには、 莫大 ばくだいな税金がかかる。今回選は59億2400万円の支出が見込まれ、都選挙管理委員会が把握する1979年以降で最高額となりそうだ。

 都選管によると、都知事選では、1万4230か所の選挙ポスター掲示板の設置費、1865か所の投票所と62か所の開票所の設営費、新聞広告や政見放送にかかる経費、投票用紙や選挙公報の印刷代――などがかかる。都知事選の業務に従事する区市町村選管職員の人件費も都が負担する。

 今回選では、候補者48人分のポスターを貼れる掲示板を設置したものの、過去最多の56人が立候補したため、スペースが足りなくなった。掲示板の枠外にポスターを貼るためのクリアファイルなどを急きょ候補者に配り、「候補者1人当たり数百万円」(都選管の担当者)の追加費用がかかる見込みという。

 物価や人件費の高騰で、都知事選の費用は増加傾向だ。猪瀬直樹氏が初当選した2012年は38億4600万円だったが、今回選はその1・5倍。昨年8月投開票の埼玉県知事選(25億3200万円)、同年4月の神奈川県知事選・県議選(29億9000万円)、21年3月の千葉県知事選(21億3900万円)など近隣県と比較しても突出している。

 選挙にかかる費用には、候補者が負担するものもある。

 代表的なのが供託金だ。選挙の規模などに応じて金額が異なり、知事選の場合、立候補には300万円が必要で、開票の結果、有効投票総数の10分の1に達しなければ、供託金は没収となる。前回20年は、小池百合子、宇都宮健児、山本太郎の上位3氏を除く19人の供託金計5700万円が没収された。

 供託金は売名目的で立候補者が乱立するのを防ぐための制度だ。だが今回、政治団体「NHKから国民を守る党」は関連団体とともに計24人の候補を立候補させたうえ、寄付者に対し、ポスター掲示板に自作のポスターを貼る権利を譲っている。立花孝志党首は「都知事選で得られる宣伝効果は1億円ぐらいある。供託金の300万円は非常に安い」と述べており、制度が形骸化する恐れが指摘されている。

 公職選挙法に詳しい只野雅人・一橋大教授は「立候補する権利は広く認められるべきだが、選挙に多額の税金が投入されているのも事実。売名目的の立候補を防ぐため、ポスターの利用方法に一定の制限を設けるなどの対応が必要だ」と話す。

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