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海上自衛隊の潜水艦修理に絡み接待疑惑、川崎重工の税務調査で浮上…架空取引で原資ねん出か

読売新聞 / 2024年7月3日 20時59分

防衛省

 防衛省は3日、海上自衛隊が保有する潜水艦の修理業務に絡み、海自隊員が製造元の川崎重工業(本社・神戸市)の社員から金品を受け取った疑いがあると発表した。川重と下請け会社の間で行われていた架空取引の収益を使って、川重社員が海自隊員を接待していた可能性がある。同省は関わった隊員の数などを調査している。

 同省によると、川重が大阪国税局の税務調査を受ける中で、隊員への接待疑惑が浮上した。同省は4月2日に川重から通報を受け、同5日に海自に調査委員会を設置。関係した隊員は自衛隊員倫理法違反で処分される可能性がある。

 海自は現在、計24隻の潜水艦を保有している。川重と三菱重工業がそれぞれ12隻ずつを製造しており、定期点検などの修理業務は原則、この2社が請け負っている。

 修理業務を巡る川重との契約規模は年間百数十億円だが、防衛省担当者は、同省と川重の間の契約については、過払いや架空請求は確認されていないとしている。

 同省は今月3日、川重から税務調査に区切りがついたと連絡を受けたため、問題の公表に踏み切った。過去5年ほど遡って調べるという。

 川崎重工業によると、大阪国税局の税務調査により、2024年3月期までの6年間で十数億円の架空取引があったと指摘された。法人税などの追徴税額は約6億円に上るという。

 架空取引は工事に必要な資材の発注先となる複数の業者との間で行われた。捻出した資金は商品券や生活用品の購入に充てられたが、これらの物品が誰に渡ったか調査している。

 同社従業員と海自隊員は潜水艦を修理する際、数か月間、神戸工場で一緒に作業を行う。意思疎通を円滑化するために懇親会を開くこともあるが、同社はこうした慣習がエスカレートし、今回の問題につながった可能性があるとみている。

 同社は外部の法律事務所に委託して特別調査委員会を設置しており、年内に結果をまとめる方針。同社の橋本康彦社長は「特別調査委を通してしっかり解明する」とのコメントを出した。

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