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「夏将軍」松山商、全国で唯一挑戦権持つ4元号V狙う…[甲子園100年 変わらぬ情熱 夏の高校野球]<下>

読売新聞 / 2024年7月4日 5時0分

23年ぶりの出場を目指し練習に励む松山商の選手たち

 全国高校野球選手権大会の地方大会が各地で始まった。甲子園が誕生した1924年の第10回大会に出場し、100年前から変わらぬ情熱で大舞台を目指し続けているチームの今を、3回にわたって伝える。

 春夏の甲子園大会で優勝すること7度。大正、昭和、平成の各時代で制したのは松山商だけで、4元号優勝への挑戦権を全国で唯一持つ伝統校だ。最初の優勝は1925年の第2回選抜大会。甲子園で初めて選抜が開かれた年だった。

 「奇跡のバックホーム」として人々の記憶に残る96年夏が最後の優勝。甲子園出場は2001年夏以来遠ざかっている。愛媛県内のライバル校、今治西を春夏11度の甲子園に導いた大野康哉監督(52)が立て直しを任された。大野監督は「県立高の教員だから異動はあると思ってはいたが、そんな人事があるんだ」と驚いたという。

 コロナ禍の20年4月に赴任すると、野球部寮に住み込んだ。現在の寮生は60人の部員中31人。「松山商であろうと、自分がやるべきことは一緒」と、日常生活を大事にしながら取り組んできた強化が実りつつある。投手力と堅守を軸に昨秋、今春と県大会を連覇し、今夏の優勝候補一番手に挙げられる。

 エースの林颯太(3年)は最速144キロの速球に加え、カーブ、スライダーを持ち球に内外角に投げ分ける制球力もある。林は「もう一つ、速い変化球がほしかった」と昨夏以降にカットボールを習得し、捕手で主将の大西利来(3年)は「配球がしやすくなった」と手応えを語る。「(低反発の)新基準バットになって、投手力が優位なところが勝ち上がった」と大野監督。バッテリーを組んで2年という2人への信頼は厚い。

 「大野監督のもとで甲子園に出たかった」と大西は松山商を選んだ。ただ、「入学して初めていろんな歴史を知った」と正直に話す。林も「松山商が甲子園で活躍したという実感がない」という。前回出場時に2人は生まれていない。それほどの時間が過ぎ去った。夏の全国優勝は5度。圧倒的な強さから「夏将軍」の異名をとる伝統校が、その名にふさわしい戦いを繰り広げる夏が始まる。(河村真司)

中京大中京が最多11度優勝

 春夏の甲子園で優勝回数が最も多いのは中京大中京(愛知)の11度(夏7、春4)だ。続く大阪桐蔭(大阪)は春夏出場27度で、9度(夏5、春4)の優勝を果たしており、春夏連覇も2度。出場3度につき1度優勝という驚異的なペースで追い上げる。春夏での優勝がまだない都道府県は青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、富山、石川、滋賀、鳥取、島根、宮崎の12県となった。

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