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甲子園を逃し号泣しながら「体と気持ち強くしてプロに行きたい」…巨人に入った井上温大、5年後に同じ球場で錦を飾る

読売新聞 / 2024年7月4日 6時0分

8回無失点の好投を見せた先発・井上(3日)=黒瀬祐生撮影

 巨人6―1中日(セ・リーグ=3日)――巨人が快勝。三回にヘルナンデスの3ランで主導権を奪い、その後も着実に加点した。8回無失点の井上が約1か月ぶりの白星。中日は3併殺打と拙攻が響いた。

 巨人の阿部監督は、笑顔で言った。「もう、どこに行っても地元だと思って投げてもらいたいね」。冗談交じりの賛辞を贈った相手は、地元・前橋で 凱旋 がいせん登板を飾った井上だ。小中高と投げてきたマウンドで自己最長の8回を投げ、5安打無失点の快投を見せた。

 キレのある直球と低めの変化球を操った。一回のアウトは全て空振り三振。二〜四回は三者凡退と隙を見せず、六〜八回は走者を出しながら、3イニング連続の併殺でピンチを乗りきった。お立ち台で「この球場で何度も悔しい思いをした。いい恩返しができたのかな」とはにかんだ。

 2019年の7月。前橋商高のエース井上は、この球場で前橋育英との県大会決勝を戦っていた。「最も記憶に残る試合」。疲労もあって八回途中までに10安打を浴び、3失点で甲子園出場を逃した。「体と気持ちを強くして、プロに行きたい」。試合後に号泣しながら、そう誓った。

 それから5年後の7月。巨人の一軍投手として、同じ球場で中5日での登板に臨んだ。前回登板は変化球が高めに浮いて4回3失点と崩れ、連日の投球練習で修正してきた。高温多湿の過酷な状況で、初めて八回のマウンドに立っても制球を乱すことなく、力強く97球を投げきった。

 プロ3年目の22年に初勝利を挙げた後、昨季は0勝と、成長途上にある有望株。「1球ごとに温かい声援を送ってもらい、いい投球ができた。いい思い出に切り替えられた」。試合後の球場には、強くなって戻ってきた左腕へ、地元ファンからの「井上コール」が響いていた。(福井浩介)

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