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男女単身の年金も初めて試算…現在30歳の男性は14・7万円、女性は10・7万円

読売新聞 / 2024年7月4日 10時35分

 厚生労働省は3日に公表した公的年金の財政検証で、男女ごとに65歳時でもらえる平均年金額の見通しを初めて示した。過去30年と同様の経済状況が続いた場合、現在の50歳は、月額で男性14・1万円、女性9・8万円となる。30歳は男性14・7万円、女性10・7万円で、働く人が多い若年層の女性ほど将来受給額の伸びが大きくなることが確認された。

 これまでの財政検証は、平均的な収入の会社員だった夫と専業主婦の世帯を試算の主体としてきた。しかし、現在は専業主婦世帯よりも共働き世帯の方が多く、働き方や家族構成の変化とともに年金受給のあり方も多様となっている。厚労省は男女単身の将来推計を出すことで、多くの国民に年金制度への関心を持ってもらいたい考えだ。

 試算によると、2024年度現在で50歳の人は、受給開始の65歳となる39年度に男性で月14・1万円、女性で月9・8万円。この男女が世帯を構成していれば計23・9万円となり、試算方法は異なるものの、専業主婦世帯の21・7万円と比べて老後保障が2・2万円手厚くなる。

 現在30歳であれば、65歳となる59年度に、男性は月14・7万円、女性は10・7万円。この2人世帯なら25・4万円で、専業主婦世帯の21・3万円より4万円ほど充実することとなる。経済が成長するシナリオであれば、その差はさらに大きくなる。この時には女性の就労がさらに進んでいるとみられるためだ。

 一方、今回の財政検証は今後予定する年金制度改革が実現した際の試算も示した。厚生年金の加入対象を増やして、短時間労働者の勤務先の企業規模要件を撤廃したり、最低賃金の上昇などが進んだりして約200万人が今後新たに加わった場合、現在の30歳が65歳時に受け取れる額は月に数千円増える効果がある。

 額面では伸びが期待されても、その時の現役世代の手取り収入に比べた年金水準を示す「所得代替率」で減少傾向が続けば、年金受給世帯の暮らし向きは現役世代よりは厳しくなる。少子高齢化に伴い、若者世帯の将来の年金額を維持するために給付額を抑える「マクロ経済スライド」による調整が続くことが主要因で、この改良も今後の課題となっている。

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