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大雨や大雪で運休し多数の帰宅困難者、「自治体へ適切に情報提供を」…行政評価局が運輸局に改善通知

読売新聞 / 2024年7月4日 13時3分

大雪の影響で帰宅できず、京都市営地下鉄山科駅の地下通路で一夜を明かした人たち(2023年1月25日朝、京都市山科区で)

 大雨や大雪などによる電車運休で発生した帰宅困難者の情報を、鉄道会社が沿線自治体に適切に提供していないなどとして、近畿管区行政評価局が4日、鉄道事業を所管する近畿運輸局に改善措置を講じるよう通知した。自治体との連携を強化するよう鉄道会社に指導してもらい、駅構内などに滞留する帰宅困難者を避難所に円滑に誘導する仕組みづくりを進めるのが狙い。

 通知のきっかけは、昨年1月に京都府や滋賀県などで降った大雪。JR東海道線の電車15本が同月24日夜、高槻(大阪府)―山科(京都府)間で立ち往生し、滋賀、京都、大阪、兵庫各府県の22駅で約1万2000人が足止めされた。乗客の大多数が、駅構内や列車内で一晩を過ごした。

 そのため、評価局は鉄道沿線の11市や鉄道会社4社などから聞き取り調査を実施。会社側は当時、「タイミングがわからなかった」などとして、自治体に対し、帰宅困難者に関する情報提供を積極的に行っていなかったことがわかった。自治体側では、情報不足で避難所開設が遅れたケースがあった。

 近畿運輸局は昨年2月、鉄道会社に対し、帰宅困難者受け入れに関する自治体への要請手順などを具体化するよう通達していたが、実際に自治体側と協議を始めた鉄道会社は1社だけだったことも判明した。

 そのため、評価局は鉄道会社と自治体の連携が不十分だと判断。「帰宅困難者問題は、乗客の身体への影響も懸念される」などとして、近畿運輸局に改善措置を講じるよう通知した。

 また、自治体の多くが地域防災計画にバスやタクシーによる代替輸送を明記していたが、当時は実施されなかった。遠方に住む帰宅困難者を送り届ける場合、道路運送法の営業区域規制に抵触する恐れがあるためで、調査では、バス、タクシーの事業者から「判断が難しい」との意見が出された。

 同法には、災害など緊急時は区域外での旅客運送を認める条項があり、評価局は国土交通省に「当該条項について一定の判断を示すことが有効と考えられる」との見解を伝えた。

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