1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

東京五輪は無邪気な若手で「銀」の本多灯…競泳の「顔」で臨むパリ、最強ライバルと頂点争う

読売新聞 / 2024年7月10日 15時40分

6月末の記録会に出場した本多灯。パリ五輪で金メダルを目指す=森井智史撮影

[エース出陣]<8>競泳男子 本多灯 22 イトマン東進

 夏のパリ五輪が開幕するまでおよそ半月。目前に迫った大舞台で、注目競技の日本のエースたちはどんな戦いを挑もうとしているのか。担当記者が紹介する。

 6月末に相模原市で行われた五輪前最後のレースでひときわ大きな歓声を浴びた。自身に寄せられる期待を実感しながら泳ぎ終えると、パリに向けて気持ちを入れ直した。「東京五輪の時みたいなわくわく感が芽生えてきた。またいい結果を出したい」

 2021年の東京五輪は日本競泳陣の男子で唯一のメダルとなる銀に輝いた。その後、世界選手権では22年から表彰台に立ち続け、今年2月のドーハ大会では左足首の負傷を抱える中で金メダルを獲得。すっかり日本競泳界の「顔」となった。それでも、「チャレンジャーであることに変わりない」と冷静に足元を見つめる。

 200メートルバタフライの自己ベストは1分52秒70。世界選手権ドーハ大会では不在だったクリシュトフ・ミラク(ハンガリー)の持つ世界記録とは2秒36の開きがある。後半の追い上げが持ち味だが、五輪での金を見据えると課題の前半で離されてしまえば勝負にならない。そのため、東京五輪後は前半から積極的に飛ばす泳ぎに力を注いできた。キックの強化にも時間を割き、推進力を妨げないようキックを打ち込むタイミングも模索し続けている。

 その成果が2月の金であり、6月末の相模原市でのレースだった。いずれもベストの状態ではない中で、前半のタイムは自己ベストを出した時より速いペースで攻めていた。本番ではいかに後半までスピードを持続させるかがカギとなるが、堀之内徹コーチは「今までよりも大きな動き、気持ちに余裕を持った状況で良い泳速を出せるようになってきた」と太鼓判を押す。

 3月の五輪代表選考会では日大の後輩・寺門弦輝(セントラルスポーツ)に敗れ、2位での代表入り。欧州グランプリでは休養明けのミラクとの再戦で先着を許した。あくまでも五輪に向けた過程のレースではあったが、「負けてから気づけたこともある。気持ち的な刺激が入っているのは確か」。ここからはもう負けられない。

 無邪気に臨んだ東京五輪以降、レースへの不安で心が揺れ動いたこともある。ただ、間近に迫る五輪を前に覚悟は固まった。「東京から3年間、金メダルにフォーカスして練習してきた自信はある」。あどけなさの残った3年前とは顔つきも体つきも違う。積み上げたものを余すところなく発揮すれば、目標とする色のメダルは現実味を帯びてくる。(森井智史)

[世界のライバル]3冠マルシャン難敵

 強敵はミラクだけではなく、地元パリの期待を背負うレオン・マルシャン(仏)がいる。昨年の世界選手権福岡大会では男子400メートル個人メドレーを世界新記録で制し、200メートル個人メドレーと200メートルバタフライでも金メダル。パリ五輪は200メートル平泳ぎも含む計4種目で出場権を獲得しており、メダルをいくつ取るのかと世界の注目を集めている。本多は「安定した強さがあり、体力とスピードの両方がないと勝てない。リベンジしたい」と意気込む。

ほんだ・ともる 2001年12月31日生まれ。神奈川県出身。21年の東京五輪は200メートルバタフライで銀メダルに輝いた。世界選手権では22、23年に銅メダルを獲得し、今年のドーハ大会では競泳日本男子史上4人目で、バタフライでは五輪と世界選手権を通じて初めての世界王者となった。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください