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涙で発電し血糖値を推定、コンタクトレンズ試作…京都大チーム

読売新聞 / 2024年7月5日 15時0分

 涙に含まれる糖分を使って発電し血糖値を推定する超小型装置を開発したと、京都大の研究チームが発表した。この装置を組み込んだコンタクトレンズを試作し、6月に米国で開かれた国際会議で紹介した。糖尿病患者の血糖値管理に役立つ可能性があり、今後、動物実験で安全性を確かめる。

 京大の 新津葵一 にいつきいち教授(半導体設計)らは、涙に含まれる糖分量が血糖値の変化と連動している点に着目。糖分が酸素と反応して発電する素子と、糖分量に左右される発電量の変化を記録する集積回路を備えた装置を考案した。

 発電量はごく少なく、1兆分の1ワット以下になることもあるため、回路の一部を自動的に「スリープ状態」にする技術で節電し、安定的に作動するようにした。

 装置の厚さは0・4ミリ以下。ハードコンタクトレンズの外縁部に組み込むと視野の邪魔にならず、通常のレンズと同等のつけ心地が見込めるという。記録された糖分量のデータはレンズをケースに戻した際に読み取る仕組みだ。

 現在、糖尿病患者は腕などに針を刺す測定器で血糖値を管理している。新津教授は「涙の糖分から血糖値の変化を把握し、低血糖に陥る前に光で知らせたり、糖分量の日々の推移を把握したりできるようになれば」としている。

国立情報学研究所の安浦寛人副所長(情報科学)の話「外部の電源に頼らず、測定対象である涙の成分そのものをエネルギー源として使うアイデアがよい。他の機器にも応用できそうだ」

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