レッサーパンダの風太、国内最高齢２１歳に…立ち上がることなくても「自分のリズム」で来園者に笑顔

２１歳の誕生日を迎えた風太（千葉市動物公園提供）

　背筋を伸ばして立ち上がる姿で人気者となった千葉市動物公園（若葉区）のレッサーパンダ「 風太 （ふうた）」が５日、２１歳の誕生日を迎えた。同園によると、国内に生存するレッサーパンダで最高齢だという。この日はケーキを模した特製の昼食が振る舞われ、来園者も祝福した。

　風太は２００３年に静岡市の日本平動物園で生まれ、翌年に繁殖のために千葉市動物公園にやって来た。０５年に後脚で立ち上がる愛らしい姿が報道され、一躍有名になった。

　レッサーパンダには驚いた際に立ち上がる習性があり、風太も千葉に来た当初から立ち姿を見せていたという。近年は右目に白内障を患い、立ち上がることはなくなったが、穏やかに暮らしている。

　千葉市動物公園はこの日、誕生日を迎えた風太のために、リンゴやサツマイモといった好物をケーキ風に盛り付けた昼食を用意した。風太は周りを歩くだけで口はつけなかったが、集まった約１００人の来園者は屋内展示場のモニターで風太の様子を温かく見守っていた。

　３か月に１度、風太を見に来るという佐倉市のパートの女性（３８）は「いつもと変わらずに自分のリズムで歩く姿がうれしかった。これからもマイペースで頑張ってほしい」と笑顔で話していた。