６打点と大暴れの巨人・岸田、「扇の要」としてチームの戦い方に幅生む…村田コーチ「チャンスをもらったところで期待に応えている」

９回２死１、２塁、岸田が３ランを放つ（捕手・中村）（５日）＝大金史典撮影

　巨人１０―３ヤクルト（セ・リーグ＝５日）――巨人が今季２度目の２桁得点で大勝。一回、岸田の２点打などで４点を先行し、その後も効果的に加点した。岸田は３安打６打点の活躍。ヤクルトは２連敗。

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　試合が始まった直後から巨人打線は理想的な攻撃を展開した。その中でも特に大きかったのが、扇の要として奮闘する岸田の一振りだった。

　一回、先頭の丸からの３連打で先制した後、岡本和が四球を選んで無死満塁。一死から立岡の内野ゴロの間に１点を加えて、なおも好機は続く。二死二、三塁、打席に入った岸田は追い込まれた後、しぶとく左前へ２点打を運び、「２点で終わるのと、４点入るのは全然違う。（投手をリードする上でも）自分自身を助ける１本だった」と自賛した。

　捕手というポジションは、「チームの勝敗を左右する」と考えている。三回は犠飛を放ち、九回には左翼席へダメ押しの３ランをたたき込んだ。これまで１試合２打点が最も多かったが、この日は６打点の大暴れ。守備面でも、序盤から制球にばらつきがあった戸郷をうまくリードした。

　攻守にわたる岸田の働きぶりは、チームの戦い方に幅を生んでいる。６月下旬以降、不調の坂本が外れた三塁を岡本和が守り、空いた一塁には大城卓が入っている。打力のある昨季の正捕手を別のポジションに回すことができるのは、「岸田がしっかりやってくれるから。チャンスをもらったところで期待に応えている」と村田総合コーチは言う。

　プロ７年目の岸田は今季、すでに自己最多の４９試合に出場し、このうち３８試合で先発マスクをかぶっている。「数多く試合に出させてもらっている分、責任感がある。満足せずにやっていきたい」。様々な経験を積み重ね、今以上に欠かせない存在になってみせる。（井上雄太）