吉野ヶ里遺跡「謎のエリア」の石棺墓、人を含む動物を埋葬か…動物由来の多量のリン酸を検出

石棺墓を見学する見物客ら（２０２４年５月）

　国指定特別史跡の吉野ヶ里遺跡（佐賀県神埼市、吉野ヶ里町）で見つかった弥生時代後期のものとみられる 石棺墓 （せっかんぼ）について、佐賀県は５日、人を含む動物が埋葬されていた可能性が高いとする調査結果を発表した。

　県文化財保護・活用室によると、石棺墓内の土から、動物由来とみられる多量のリン酸が検出されたという。一帯はこれまで調査が進んでいなかった「謎のエリア」と呼ばれ、昨年６月から石棺墓内部の調査が進められていた。内部は赤色の顔料で塗られ、県は「有力者の墓とみられる」としていた。

　県は同日、保存のための埋め戻しを始めたが、立ち会った同県の山口 祥義 （よしのり）知事は「調査をしていない土地があるので、さらに進めていきたい」として今後も調査を続ける考えを示した。