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海上自衛隊の特定秘密、無資格取り扱い常態化か…海自トップ酒井良・海上幕僚長は引責辞任へ

読売新聞 / 2024年7月6日 12時8分

酒井良・海上幕僚長

 安全保障上の機密情報にあたる特定秘密が海上自衛隊の護衛艦で不適切に取り扱われていた問題に絡み、内部調査を進めていた防衛省が、多数の不正行為を確認していたことが政府関係者への取材でわかった。不正は常態化していたとみられ、海自は複数の隊員を処分する。海自トップの酒井良・海上幕僚長は引責辞任する方向だ。

 防衛省は4月、海自の護衛艦「いなづま」で、特定秘密を取り扱う資格がない隊員が戦闘指揮所(CIC)で勤務し、特定秘密にあたる艦船の航跡情報に約60日間触れていたと発表した。複数の同艦幹部は、隊員が適性評価を受けたか確認せずにCICでの勤務を指示しており、当時の艦長ら計4人が懲戒処分を受けた。

 同省はこの問題を契機に情報保全体制を見直すため、全隊員を対象に調査を実施。その結果、複数の艦艇で、資格を持たない隊員が特定秘密を取り扱っていたことが確認されたという。特定秘密の漏えいは、自衛隊員の間でとどまり、外部への漏えいは確認されていないとされる。

 同省は近く、今回の問題の調査結果と処分内容を公表する。特定秘密の不適切な取り扱いは日常的に行われていたとみられ、処分や指導の対象となる隊員数は異例の規模になる。

 同省では2022年12月、海自の情報部隊のトップが、日本周辺の情勢をOBに説明した際に特定秘密を伝える事件が発生している。

 酒井氏は、護衛艦艦長を務めた後、海幕防衛部長や横須賀地方総監を経て22年3月に海幕長に就任した。

 ◆特定秘密=防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野で特別に秘匿が必要な情報。2014年施行の特定秘密保護法で定められ、内閣官房の資料によると、昨年末時点で計751件が指定されている。犯罪歴や経済状況などを審査する「適性評価」を受けなければ取り扱うことはできず、情報を漏えいさせた場合は刑事罰が科される。

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