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イランで19年ぶり改革派大統領、ペゼシュキアン氏当選…国際協調路線で制裁解除を目指す

読売新聞 / 2024年7月6日 14時20分

 【テヘラン=吉形祐司】イラン内務省は6日、5日に行われた大統領選決選投票の結果、改革派で元保健相のマスード・ペゼシュキアン氏(69)が当選したと発表した。任期は4年。改革派大統領の政権は19年ぶりとなる。

 米国の制裁に伴う経済低迷や抑圧的な政権運営に対する不満が噴出した形だ。ペゼシュキアン氏は対話を重視する国際協調路線で、核交渉による制裁解除を目指すが、保守強硬派の抵抗で難しいかじ取りを迫られるとみられる。

 大統領選は、エブラヒム・ライシ大統領がヘリコプター墜落で死亡したのを受けて行われた。6月28日の第1回投票で過半数を得た候補がおらず、首位のペゼシュキアン氏と2位だった保守強硬派で元核交渉責任者のサイード・ジャリリ氏(58)による19年ぶりの決選投票となった。

 内務省の発表によると、ペゼシュキアン氏は1638万票以上を獲得し、ジャリリ氏に284万票余りの差をつけた。投票率は49・8%で、過去最低だった第1回投票の40%を大きく上回った。

 改革派大統領は、1997〜2005年の任期中に「文明間の対話」を提唱し、積極外交を展開したモハンマド・ハタミ師以来となる。

 ペゼシュキアン氏は当初、強力な候補とはみなされなかったが、米国の制裁解除の重要性を訴え、支持を拡大した。制裁は、国民生活を圧迫している40%程度の物価上昇率の要因となっていた。

 しかし、イランの重要施策は最高指導者のアリ・ハメネイ師が最終決定権を握っている。ハメネイ師は、対米強硬姿勢を貫いたライシ師を高く評価しており、急激な方針転換は困難だ。

 イランは米国の制裁再開後、対抗措置として核合意で制限されていた核開発活動を再開し、核兵器のレベルに近い60%濃縮ウランを生産・貯蔵してきた。国際原子力機関(IAEA)の一部査察官の受け入れも拒否するなど国際的な孤立を深めている。

 イランは中国やロシアが主導する上海協力機構(SCO)や新興国グループ「BRICS」に加盟し、中露に急接近している。パレスチナ自治区ガザでの戦闘では反米・反イスラエル勢力を支援しており、今後も変化はないとみられる。

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