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8人死亡の海自ヘリ墜落、2機の指揮官の連携不足が衝突原因か…近く報告書を公表

読売新聞 / 2024年7月7日 5時0分

 海上自衛隊の哨戒ヘリコプター「SH60K」2機が4月、潜水艦を探知する訓練中に墜落した事故で、海自の事故調査委員会が、2機のヘリを別々の指揮官の指示で動かす際の連携不足が衝突原因の一つと結論づけたことが、政府関係者への取材でわかった。海自は近く報告書を公表する。

 事故は4月20日深夜、伊豆諸島(東京)・鳥島の約280キロ東方海域で起きた。訓練は護衛艦隊司令官が部隊の練度を評価する「査閲」の一環として行われ、艦艇8隻、哨戒ヘリ6機が参加。現場空域では3機が飛行しており、うち2機が衝突し、4人ずつ搭乗していた計8人全員が殉職した。

 海自は事故後、飛行状況を記録する2機それぞれのフライトデータレコーダー(FDR)を回収し、データの分析と関係者への聴取をしてきた。

 哨戒ヘリが潜水艦の探知に使う水中音波探知機(ソナー)は、自ら音を発して潜水艦を探す「アクティブ」と、潜水艦から出る音を探知する「パッシブ」の2種類があり、戦術に応じて別々の指揮官が連携を取りながら指示を出すことがある。

 政府関係者によると、今回の訓練でも、3機は使用するソナーの種類に応じて2機と1機に分かれ、敵役の海自潜水艦を追跡していたが、指揮官の間での連携が不十分だったという。安全な高度差を保つための明確な指示がなかったことなどが問題視された。

 また、ヘリには衝突防止灯がついており、夜間でも近距離であれば目視は可能で、FDRにも2機の搭乗員らが互いに相手の位置を視認する音声が記録されていた。

 しかし事故では、ほぼ直進していた1機の機体前部と、旋回していたもう1機の左前部が衝突しており、搭乗員による見張りが不十分だった可能性がある。

 海自は2021年に起きた哨戒ヘリの接触事故を受け、複数機が接近して飛行する際、搭乗員による見張りや飛行時に高度差を確保することなどを再発防止策としていた。

 今回はこれが順守されていなかったとみて、飛行の際の見張りを徹底するとともに、複数のヘリが異なる指揮官の指示で動く時は、より上位の指揮官が状況の把握に努めることなどを示す方針だ。

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