日韓豪ＮＺとウクライナ、初の５か国首脳会談を開催へ…ワシントンで１１日

　日本と韓国、オーストラリア、ニュージーランド政府は、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）首脳会議に合わせ、ウクライナを加えた５か国による初の首脳会談を１１日に開催する方向で調整に入った。日本とＮＡＴＯ間では、偽情報対策を含めた戦略的コミュニケーションに関する初の国際会議を東京で開くことで合意する見通しだ。

　複数の日本政府関係者が明らかにした。北米と欧州の３２か国が加盟するＮＡＴＯ首脳会議は、９日から米ワシントンで開かれる。インド太平洋パートナー（ＩＰ４）と呼ばれる日韓豪ニュージーランドは２０２２年から招待されており、この機をとらえウクライナが首脳会談を要請した。岸田首相やウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領、韓国の 尹錫悦 （ユンソンニョル）大統領らが出席し、ロシアの侵略が続くウクライナへの支援継続で一致するとみられる。

　日韓豪ニュージーランドとＮＡＴＯの首脳会談も１１日に開かれ、ウクライナ支援、偽情報対策、サイバー、新興技術の４項目で協力強化を確認する。中国やロシアによる虚偽情報の拡散や世論操作への懸念が深まっており、日本とＮＡＴＯによる国際会議では、対抗策なども議題となる模様だ。

　米政府高官は５日、記者団に対し、日韓豪ニュージーランドとＮＡＴＯの首脳会談では、中国がウクライナに侵略するロシアの防衛産業を支援している問題を提起する考えを明らかにし、「強い言葉で対処することになる」と語った。

　ＮＡＴＯ首脳会議の議長を務めるバイデン米大統領は、日韓豪ニュージーランドとの会談や、ゼレンスキー氏との個別会談も調整している。最終日の１１日に記者会見に臨む予定だ。