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ハウス野菜を猛暑から守る「遮熱シート」、東レが開発…光を通しながら気温上昇抑える

読売新聞 / 2024年7月7日 5時0分

 東レは、農業用ビニールハウスの気温上昇を抑える新たな遮熱シートを開発した。新シートは植物の光合成に必要な可視光を通す一方、気温上昇の原因となる赤外光を吸収・反射する性能が高く、2025年春の販売を目指す。気候変動で最高気温35度以上の猛暑日が増えても、ハウスで栽培する野菜の収穫量の増加につなげる狙いだ。

 新シートは特殊な薬剤を混ぜた繊維で織り上げた。透明に近く、ハウスを外側から覆って使用する。ハウス内が35度以上になると生育不良が起きやすいトマトの栽培での利用を想定している。

 従来の遮熱シートは赤外光と可視光を一定程度遮ってしまうため、夏場により多くの可視光を取り入れようとすると、ハウス内の気温が大幅に上昇してしまう課題があった。東レは実験の結果、従来のシートより、ハウス内の日中の平均気温を最大約3度、最高気温を最大約5度下げる効果を確認できたとしている。

 光を通しながら気温の上昇は抑える性能を生かし、東レは住宅用カーテンなど農業用以外でも新シートの活用を検討する。

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