東京都知事選挙、小池百合子氏が無党派層と自公の支持層固め3選…石丸伸二氏は若者に支持広げ健闘
読売新聞 / 2024年7月7日 22時51分
過去最多の56人が立候補した東京都知事選は7日投開票され、現職の小池百合子氏(71)が、広島県安芸高田市前市長の石丸伸二氏(41)、前参院議員の蓮舫氏(56)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)らを退け、3選を決めた。小池氏は引き続き、東京が直面する少子高齢化への対応や首都直下地震の備えなどを担う。
小池氏はこの日午後8時過ぎ、新宿区の事務所で勝利宣言。「都民の力強いご支持をたまわり、都政のかじ取りをお任せいただいた。物価高対策、チルドレンファーストの政策など、『東京大改革』をバージョンアップしていかなければならない」と意気込みを語った。
小池氏は、保育料の無償化対象を現在の「第2子以降」から「第1子以降」に拡大するほか、認知症専門病院の創設、中小企業の賃上げ支援など、幅広い公約を掲げた。選挙期間中は、子育て支援策の充実など2期8年の実績を強調。公務を優先させ、街頭に出る機会は少なかったが、SNSや人工知能(AI)を活用した動画も駆使して幅広く無党派層に浸透した。
派閥の政治資金規正法違反事件を受けて独自候補の擁立を見送った自民党や、都議会で良好な関係を築いてきた公明党は、小池氏を自主的に支援。自公とも街頭演説など表立った活動は控えたが、それぞれの支持団体に投票を呼びかけた。無党派層に加え、自公の支持層を固めたことが、小池氏の勝利につながったとみられる。
政党の支援を受けず、ボランティアによる選挙戦を展開した石丸氏は、小池氏に続く得票を獲得して次点に入った。選挙戦では「完全無所属」を訴え、大手銀行での勤務経験から「経済の専門家」とアピール。SNSで演説を拡散させる手法を多用し、無党派層の支持を広げた。
蓮舫氏は、「反自民」を前面に出し、自民の支援を受ける小池都政の転換を訴えた。立憲民主、共産両党も支援したが、3位に沈んだ。田母神氏は災害に強い街づくりなどを公約に掲げたが、伸び悩んだ。
候補者が乱立した今回の都知事選は、選挙とは無関係のポスターの掲示が相次いだ。また、都選挙管理委員会が候補者分のポスター掲示板を用意できず、一部の候補者はポスターを枠外にテープで貼るといった異例の対応を強いられた。
投票率は、読売新聞の推計では60%前後となった。2020年の前回選は55%だった。
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