小池知事3選 課題山積の都政をどう率いる
読売新聞 / 2024年7月8日 5時0分
少子高齢化という難題にどのように取り組み、住みやすく活力ある首都をいかに築いていくか。引き続き都政の運営を託された責任は重い。
東京都知事選で、現職の小池百合子氏が3選を果たした。過去8年にわたる小池都政の評価が最大の争点となったが、子供への月5000円の給付事業など、小池氏が力を入れてきた独自の政策が一定の支持を集めた形だ。
小池氏が今後、取り組むべき課題は多い。東京は、地方から人口が流入し、1400万の住民を抱えているが、同時に少子高齢化も進んでいる。遠くない将来には人口の減少が始まる見通しだ。
子供を持ちたい人が、不安なく出産や子育てをできるよう、支援体制を整えることが重要だ。雇用や産業の創出も欠かせない。
医療や介護の体制整備のほか、首都直下地震や豪雨被害など、災害への備えも急務だ。政策に優先順位をつけて、着実に成果を出していくことが求められる。
小池氏はこれまで、重要政策の多くを、少数の都幹部との話し合いで決めてきた。こうしたトップダウンの手法が、スピード感のある都政運営につながる一方、急に財政負担を突きつけられた区などの反発を招いたこともあった。
3期目にあたり、強引な都政運営に陥らないためには、調整力が問われる場面もあるだろう。
選挙戦では、自民党が独自候補を擁立できなかった。派閥の「裏金」問題が表面化し、厳しい批判にさらされたためで、最終的に小池氏の支援に回った。
その小池氏は、政党色を前面に打ち出さない戦略を取った。自民は表立った活動を控えざるを得なかったが、結果的にそれが奏功する形となった。
一方、政党の支援を受けなかった前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏は、SNSを駆使して若者層らへの浸透を図り、有権者の支持を広げた。立憲民主党と共産党の全面支援を受けた前参院議員の蓮舫氏は、伸び悩んだ。
今回の結果が示す、有権者の既成政党離れは軽視できない。今後の国政選に向け、逆風下にある自民はもちろん、共産との共闘に活路を見いだそうとした立民も戦略の見直しを迫られそうだ。
過去最多の56人が乱立した今回の都知事選では、掲示板に候補者と無関係のポスターが大量に貼られ、品位を欠く政見放送も相次いだ。有権者を
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