1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

元陸上選手、ガールズケイリンを「天職」と直感し12万円持って近くの自転車店へ…パリで「最高の走りする」

読売新聞 / 2024年7月8日 13時54分

 パリ五輪の自転車競技代表には、東京五輪女子オムニアム銀メダルの梶原悠未(27)(TEAM Yumi)を筆頭に国際舞台で活躍してきた選手が名を連ねる。今回の代表には他の競技からの転向組も多い。(小高広樹)

 「女性でも稼げる方法」。ケイリンとスプリントでパリ五輪に臨む太田りゆ(29)(ブリヂストンサイクリング)が、自転車競技に飛び込んだのは、こんな言葉をインターネットで検索したのがきっかけだった。

 高校まで陸上の中距離走に打ち込んだが、大学では経済的な理由で競技から離れた。家計のために自分に向いている仕事を探していたとき、目に入ってきたのが「ガールズケイリン」。競技用自転車に乗ったこともなかったが、体力には自信があり、「天職を見つけた」と感じた。

 すぐさま行動に移した。手持ちのお金を持って近所の自転車店を訪れ、「競輪選手になりたいので、12万円で買える自転車をください」。何度か店に通い、店主が用意してくれたロードバイクで練習を始めた。「あの金額で買えるはずがないのに用意してくれた。すごく感謝しているし、一歩踏み出すことがどれだけ大切なのかわかった」

 陸上をやめてから3年後の2016年、「もう後はないと覚悟を決めていた」と競輪学校へ入学。粗削りだが、陸上で鍛えた脚力を見込まれ、在学中にナショナルチーム入りを誘われて競技の道へ進んだ。プロ競輪と並行して国際大会にも出場し、五輪への道を切り開いた。

 コロナ禍の東京五輪でも自転車は有観客で行われ、補欠で客席で見ていて感じたのは「お客さんが悔しがってくれる」こと。以前は自分本位で走っていたが、今は周囲の期待に応えたい気持ちが大きくなった。

 持ち味はパワーを生かした瞬発力のある加速。ケイリンは最後の直線での勝負に向け、どれだけ良い位置で競走を展開できるかがカギで、五輪本番に向けて自転車のギア比を調整するなど準備に余念がない。「パリでは、支えてくれた多くの人のためにも過去最高の自分の走りをしたい」と意気込んでいる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください