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パリオリンピックで本当にあった「綱引き」世界一決定戦…はとレースや魚釣りでも真剣勝負

読売新聞 / 2024年7月21日 17時29分

[パリ五輪こぼれ話]…1900年のオリンピック<1>

 綱引き、たこ揚げ、魚釣り……。いずれも運動会の種目や休日のレジャーなどの定番だが、どれも実際にオリンピックで行われた「競技」だ。1900年、パリ万博の付属イベントとして開催されたパリオリンピックは、多種多様な競技で花盛りだった。

 魚釣りは、パリを流れるセーヌ川で8月上旬に行われた。大会報告書によると、エッフェル塔から数百メートル下流に位置する「白鳥の島」付近を会場に、制限時間内に釣り上げた魚の重さなどを競った。18歳を超えていれば国籍・性別を問わず、一定の登録料の支払いにより参加可能な仕組み。国際オリンピック委員会(IOC)から正式競技としては認められていないものの、魚釣りのほかに、たこ揚げ、はとレース、モーターボートレース、自動車レースなども行われた。

 一方、正式競技として行われていたのが綱引きだ。1チーム6人編成で、当時は陸上競技の1種目として実施された。デンマーク・スウェーデンの混成チームとフランスの2チームが出場した戦いは、デンマーク・スウェーデン連合が制した。1920年アントワープ大会まで行われていた綱引きがオリンピックに採用されたのは、1900年パリ大会が初めて。ゲートボールに似た球技「クロッケー」や、スカッシュのようにボールを打ち合う「バスク・ペロタ」も、後年オリンピックから除外されたが、1900年パリ大会では正式競技だった。

 オリンピックから一度は姿を消しながら、返り咲きを決めた競技もある。英連邦の国々を中心に高い人気を誇る「クリケット」だ。オリンピックでは1900年パリ大会でのみ実施されていたが、2028年ロサンゼルス大会の追加競技として行われることが昨年10月のIOC総会で決定した。1900年パリ大会では、オランダとベルギーが棄権するなどし、イギリスとフランスの2チームによる争いにとどまった球技が、128年ぶりにオリンピックに戻ってくる。

 今年のパリオリンピックでは、ブレイキン(ブレイクダンス)が今大会限りの追加競技として初採用された。競技の人気や開催都市の意向なども背景に、変化を続けてきたオリンピック競技。世界一を決める舞台の裏に、時代の流れが見え隠れする。(デジタル編集部 深井千弘)

 パリで初めてオリンピックが行われたのは、1900年。同じ年に開かれたパリ万博に付随した運動・スポーツ国際大会として開催された。大会期間は5か月余りに及び、選手は国・地域の代表ではなく個人の資格で参加するなど、大会運営方式は現在と大きく異なっていた。1924年にも行われ、フランスの首都では3度目となる今夏のオリンピックを機に、近代オリンピック草創期に開かれた大会のエピソードを紹介する。

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