韓国で23人死亡の工場火災、18人が外国人労働者…「妻はどんな危険があるか分かってなかった」
読売新聞 / 2024年7月8日 18時45分
【ソウル=小池和樹】ソウル近郊・
工場2階の包装作業場から出火し、作業をしていた中国人17人、ラオス人1人を含む計23人が死亡した。韓国メディアによると積まれていた製品から出火し、従業員が消火を試みたものの、瞬時に煙が充満した。
犠牲者の多くは正社員ではなく、別の人材会社から派遣されていた。工場側は「適切な教育をした」と主張しているが、避難経路や出火時の対応など安全教育が徹底されていなかった可能性が指摘されている。消防当局が3か月前、火災による人命被害の危険性を指摘していたことも明らかになり、警察が安全管理に問題がなかったか捜査している。
韓国では人口減少と若者の高学歴化が進み、製造現場での働き手を外国人労働者に依存している。聯合ニュースによると2013年の76万人から昨年92万人にまで増えた。
韓国では、外国人労働者が地域に定着できるよう韓国語教室を開くなど、積極的な支援策が取られてきただけに今回の火災の衝撃は大きい。朝鮮日報によると全就業者に占める外国人の割合は3%だが、鋳造や溶接などの製造業では10%に迫る。労災による死者も外国人労働者が1割を占める。同紙は「構造的問題が生んだ惨事だ」と指摘した。韓国政府は7月中に安全教育の強化策を発表する方針だ。
中国人の妻が犠牲になった50歳代の中国人男性は読売新聞の取材に対し、「妻は工場にどんな危険があるのか何も分かっていなかった。会社はあまりに無責任で、妻がかわいそうだ。こんなことは二度とあってはならない」と怒りをぶちまけた。現場は工場が密集する工業団地で、別の工場で働くカザフスタン人の女性(24)は「私たちの工場の安全管理は大丈夫だろうかとみんな心配している」と不安そうに語った。
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