東京都議補選6敗の衝撃、自民の陣営幹部「怒りを通り越して無関心だった」「既に見放されている」
読売新聞 / 2024年7月8日 21時14分
7日投開票の東京都議補欠選挙(9選挙区、各欠員1)では、自民党が大敗したほか、立憲民主党も1勝のみにとどまった。与野党内では、既成政党に対する有権者の不信感が高まった結果だとして衝撃が広がっている。
「当初から逆風があり、おわびからの選挙だった。国政の影響が大きく、改めておわび申し上げたい」。自民の都連会長を務める萩生田光一・前政調会長は7日深夜、八王子市での敗北を受けてこう陳謝した。
自民は8選挙区に候補者を擁立したが、目標とした半数の4勝に届かず、2勝に終わった。八王子のほか、北区、足立区、江東区では議席を維持できなかった。
敗因は、派閥の「政治とカネ」の問題を巡る政治不信が無党派層にとどまらず、自民支持層にまで及んだためとの見方がある。
各陣営は不特定多数へ訴える街頭演説などを減らし、個人演説会などで自民支持層固めに注力する戦略を取ったが、奏功しなかった。ある陣営幹部は「支援者は怒りを通り越して、無関心だった。既に見放されている」と振り返る。
板橋区と府中市の2勝についても、「候補者が複数出馬して批判票が分散したおかげで、一騎打ちなら危なかった」(都連関係者)という。都内選出のベテラン衆院議員は「時間を置いても、そう簡単に支持は戻ってこない。このままだと、次期衆院選で都内はほとんど落選する」と嘆息する。
一方、立民と共産党は7選挙区で候補者のすみ分けを行い、政権批判票の受け皿を一本化しようとしたが、足立区で立民が勝利できただけだった。立民の辻元清美代表代行は8日、「全ての既成政党が嫌われた気がする」と記者団に語った。
立民内では「共産と連携すると無党派層が離れる」との声が根強く、支持層内でも賛否が割れる。共産は「共闘がマイナスに働いたことは一切ない」(小池書記局長)と主張しているが、「共闘」は袋小路に入り込みつつあるのが現状だ。
与野党が痛み分けとなったなか、小池百合子・都知事が特別顧問の地域政党「都民ファーストの会」は3議席を獲得した。自民からは「結局、小池氏の独り勝ちだ」との声も上がった。
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