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市長時代に培った手法駆使、石丸伸二氏のネット戦略とは 都知事選で2位、こうして若者に食い込んだ

J-CASTニュース / 2024年7月8日 20時39分

市長時代に培った手法駆使、石丸伸二氏のネット戦略とは 都知事選で2位、こうして若者に食い込んだ

石丸伸二氏

2024年7月7日に投開票された東京都知事選で2位と躍進した前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)について、その徹底したネット戦略が注目を集めている。

市長時代から武器にしたSNSを駆使し、マスコミの出口調査では、10、20代の若者から圧倒的な支持があった。一体どんな戦略だったのだろうか。

選挙カーに「SNS投稿OK」「撮影・拡散OK」のステッカー

「伸二! 伸二!」。たすきをかけた石丸氏が選挙カーの上に立つと、聴衆からこんなコールと手拍子が起こる。

これは、選挙戦最終日の7月6日夜に、東京駅の丸の内駅前広場で撮られた最後のお願いのシーンだ。この動画は、石丸氏の公式ユーチューブ「石丸伸二のまるチャンネル」で配信された。

この盛り上がりに、石丸氏は、「いやいや、東京駅の前がフェスの会場」と感慨深げに切り出し、メガバンク時代の経歴から語り始めた。

「日の丸を背負った思いで仕事ができました」と米ニューヨーク駐在を振り返り、都知事選に立候補する思いをこう明かした。

「改めて思います。ここに来れて、本当によかった!」

すると、広場を埋めた支援者らから、大きな拍手と歓声が沸き起こった。

石丸氏のチャンネルは、登録者数が約30万人と、知事選3位の蓮舫氏(56)の約1万人、3選を果たした小池百合子氏(71)の約3700人を大きく上回っている。この動画も、注目を集め、8万回以上視聴された。

選挙期間中、石丸氏は、選挙カーに「SNS投稿OK」「撮影・拡散OK」のステッカーを貼るなどして、ネット上への浸透を目指した。チャンネルの切り抜き動画や聴衆が撮った動画がSNS上で拡散すると、それを見て支援者が集まり、報道によると、ボランティアが約5000人にまで達した。

その手法は、安芸高田市長時代から培ったものだ。

当時の石丸氏は、「居眠り議員」をSNS上で糾弾し、議会を敵対勢力に仕立てることでネット上の注目を集めた。そのことを報じるマスコミを会見で批判することで、さらに話題を集め、その名が浸透していった。

YouTubeやTikTokで既成政党やマスコミを批判、ネット拡散

今回の都知事選でも、既成政党やマスコミへの不信を追い風に、街頭演説などで批判を繰り返した。石丸氏を支援するボランティアによる「ネット選対」が、後援会のYouTubeやTikTokでそのシーンを流すことで、SNS上の動向に敏感な若者らに支持を広げていったようだ。

NHKの出口調査によると、10、20代の40%余りが石丸氏に投票している。30代では約30%と、世代が上がるほどに割合が低くなっている。これは、小池氏と蓮舫氏が、世代が上がるほどに投票が増えているのとは対照的だ。

若者の関心が増えたためか、投票率は、前回4年前を5.62ポイント上回る60.62%に達した。平成以降の都知事選では、2番目の高さとなり、石丸氏を2位に押し上げる理由の1つになったのかもしれない。

石丸氏の躍進について、ネット上では、「若者世代へのアプローチが上手かった」「選挙では10代、20代を無視できなくなる」として、今後の選挙が変わるきっかけになるとの声が相次いだ。

その一方で、放送各社の開票特番のインタビューなどで、石丸氏が頭ごなしに決めつけたりする対応ぶりに対し、様々な声に耳を傾ける必要がある政治家としての資質を問う声も見られた。

「自分に不都合な状況に対して不機嫌さで対抗している」「イメージではなく政策で政治家を選ばないと、東京も日本も壊れ続けるよ」といった書き込みもあった。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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