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花の都で馬も幅跳び&高跳び…1900年パリ五輪で本当にあった最初で最後の珍種目

読売新聞 / 2024年7月23日 19時44分

エキストラドライに騎乗するコンスタント・ファンランヘンドンク。馬幅跳びで6・1メートルを跳び、優勝した(C)1900/International Olympic Committee (IOC)

[パリ五輪こぼれ話]…1900年のパリオリンピック<3>


 オリンピックでジャンプ力を競うのは人だけではない。今から124年前、花の都で馬も跳んだ。

 1900年初夏、パリ中心部のアンバリッド(廃兵院)の南に位置するブルトゥイユ広場では、馬術競技が行われていた。近代オリンピック創設から4年が経過した1900年パリ大会では、馬術がオリンピック競技として初めて採用された。実施されたのは、コース内に設置された様々な障害を飛び越える障害馬術など5種目。目を引くのが「馬幅跳び」と「馬高跳び」だ。文字通り、人馬一体で跳躍し、その距離と高さを競った。

 馬幅跳びには17組の人馬が出場。幅4・5メートルの川は全頭が難なく飛び越えたが、4・9メートルでは数頭が脱落した。優勝したのは、ベルギーのコンスタント・ファンランヘンドンク。鹿毛の8歳牝馬エキストラドライに騎乗し、6・1メートルを跳んだ。一方、18組が参加した馬高跳びは接戦となった。カネラに乗ったフランスのドミニク・ガルデールと、オレストに騎乗したイタリアのジョバンニ・トリッシーノがともに1・85メートルをマークし、同記録での優勝となった。

 ただ、オリンピックで行われるのは最初で最後となったユニークな種目も、大きな関心を呼ぶには至らなかったらしい。大会報告書は「馬術競技が大勢の観客を集めなかったことは認めなければならない」と率直に記している。「理由はいくつもある。(同時期に開催されていた万博の)呼び物がセーヌ川沿いに多すぎて、(そこから離れた)ブルトゥイユ広場まで人の流れが向かうとは期待できなかった。(開催の)告知方法もやや欠けていた。(人の)数を集めるには、自動車や乗合馬車では十分ではない。鉄道が必要だ」

 今夏のパリオリンピックでは、世界的な観光名所ベルサイユ宮殿で馬術競技が行われる。鉄道も走り、パリからの交通の便も良好だ。大会組織委によると、チケットの売れ行きはおおむね順調という。(デジタル編集部 深井千弘)

 パリで初めてオリンピックが行われたのは、1900年。同じ年に開かれたパリ万博に付随した運動・スポーツ国際大会として開催された。大会期間は5か月余りに及び、選手は国・地域の代表ではなく個人の資格で参加するなど、大会運営方式は現在と大きく異なっていた。1924年にも行われ、フランスの首都では3度目となる今夏のオリンピックを機に、近代オリンピック草創期に開かれた大会のエピソードを紹介する。

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