小児病院へのロシア軍のミサイル攻撃、国連安保理緊急会合で「戦争犯罪だ」と非難相次ぐ
読売新聞 / 2024年7月10日 10時23分
【ニューヨーク=金子靖志】国連安全保障理事会は9日、ウクライナを侵略するロシア軍による首都キーウの小児病院などへのミサイル攻撃を受け、緊急会合を開いた。会合では医療施設や民間人を攻撃するロシアへの非難が相次いだ。
国連人道問題調整事務所(OCHA)のジョイス・ムスヤ事務次長補は会合の冒頭、「病院への攻撃は戦争犯罪だ」と非難した。8日の攻撃で小児病院の病棟などが大きな被害を受け「人工呼吸器の使用や緊急治療ができない状態」にあると説明した。2022年2月の侵略開始以降、医療施設や患者らに影響を及ぼす露軍の攻撃は1878件に上ったとも指摘した。
米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は「プーチン(露大統領)は平和に関心がなく、死と破壊に全力を注いでいる」と述べた。ロシアとの協調姿勢が目立つ中国の代表者は「悪質な攻撃で深刻な死傷者が出た」と述べ、ロシアを暗に批判した。
小児病院には露軍の巡航ミサイルKh101が直撃したとみられているが、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は、ミサイルはウクライナの「防空ミサイルだ」と一方的に主張した。北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせて、ウクライナが自作自演したとの主張も展開した。
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