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男性から女性への戸籍上の性別変更、手術なしでも認める高裁決定…申立人「願いがやっとかなった」

読売新聞 / 2024年7月10日 12時15分

広島高等裁判所

 性器の外観を変える手術をせず、戸籍の変更に必要な性同一性障害特例法の要件のうち「変更後の性別と近い性器の外観を持つ」(外観要件)とする規定を満たさないとされた当事者が、戸籍上の性別を男性から女性に変更するよう求めた家事審判で、広島高裁は10日、性別の変更を認める決定をした。

 最高裁大法廷は昨年10月、性同一性障害特例法で生殖能力をなくす手術を事実上の要件とする規定について、「手術を受けるか性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫るもので、制約の程度は重大だ」とし、違憲とする決定を出した。その上で、外観要件については「2審で判断されていない」とし、審理を高裁に差し戻していた。

 代理人弁護士によると、申立人は西日本在住で50歳未満の社会人。2009年に性同一性障害の診断を受け、戸籍上は男性で、女性として社会生活を送っている。性別適合手術は受けていない。

 高裁は決定で、外観要件について「手術が必要ならば体を傷つけられない自由を放棄して手術を受けるか、性自認に従った法令上の扱いを受けることを放棄するかの二者択一を迫るような制約を課し、憲法違反の疑いがあると言わざるを得ない」と言及。「手術が行われた場合に限らず、他者の目に触れた時に特段の疑問を感じないような状態で足りると解釈するのが相当」として、手術なしでも外観要件は満たされるという考えを示した。

 その上で、ホルモン療法を継続的に受けることによって生物学的な性別がいずれであっても、外性器の形状に変化が生じることは医学的に確認されていると指摘。申立人は継続的に医師の診断に基づくホルモン療法を受けており、別の医師による診断でも、身体の各部の女性化が認められているとし、性別変更を認めた。

 申立人は決定後、代理人弁護士を通じ「物心ついた時からの願いがやっとかなった。ギャップによる生きにくさから解放されることを大変うれしく思う」とコメントを発表した。

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