日韓首脳会談、北朝鮮・ロシアの接近に懸念示す…米国含めた３か国の緊密な連携確認

　【ワシントン＝栗山紘尚、淵上隆悠】岸田首相は１０日夕（日本時間１１日朝）、米ワシントンで韓国の 尹錫悦 （ユンソンニョル）大統領と約３５分間会談した。両氏は、北朝鮮とロシアが軍事的な関係を深めていることに懸念を示し、米国を含めた３か国で緊密に連携することを確認した。

　岸田首相は会談で、「現下の国際情勢を踏まえれば、日韓首脳が堅固な信頼関係と戦略的な問題意識を共有し、連携を図ることは大変意義深い」と述べた。６月の露朝首脳会談に触れ、「地域の安全保障に与える影響は、深刻に憂慮すべきものだ」と指摘した。

　尹氏も、露朝関係について「軍事的、経済的な密着を加速し、東アジアはもちろん、グローバルな安全保障に深刻な懸念を引き起こしている」と言及し、日米韓３か国の連携の重要性を強調した。

　会談では、１９６５年の日韓国交正常化から６０周年を迎える来年に向け、政府間の意思疎通を活発に行うことでも一致した。

　岸田首相はその後、スウェーデンのウルフ・クリステション首相とも会談し、スウェーデンの北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）加盟を「両国の協力の機会が拡大した」と歓迎した。

　岸田首相は１０日午後（同１１日未明）、ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に政府専用機で到着した。ＮＡＴＯ首脳会議で演説するほか、韓国やオーストラリア、ニュージーランド首脳とともに、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談する。