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能登半島地震の斜面崩壊、軟弱な「火砕岩」層で多発…京大チーム分析・泥岩や溶岩の数倍の発生率

読売新聞 / 2024年7月11日 15時0分

 元日の能登半島地震の被災地で相次いだ斜面崩壊について、約1500万年前の火山活動で形成された「火砕岩」と呼ばれる岩石の層が、長年の風化などで軟弱となり、地震の揺れで崩れたケースが多かったことが京都大のチームの分析でわかった。同様の地質は北陸以外にも東北、九州などに広がっており、注意が必要だという。

 チームによると、能登半島の山間部を中心に地すべりなどの斜面崩壊が3000か所以上で発生。石川県などのまとめでは、災害関連死を含む死者299人のうち、土砂災害による死者は36人に上っている。

 チームの 松四雄騎 まつしゆうき教授(水文地形学)らは、国土地理院が公開している被災状況のデータを基に、斜面崩壊が集中した石川県輪島市、 珠洲 すず市、能登町にまたがる約240平方キロ・メートルの範囲を分析した。

 その結果、火山の噴出物が固まってできた火砕岩が占める面積は27%にすぎなかったが、斜面崩壊の発生数は全体の64%を占め、泥岩や溶岩など他の地質に比べて発生率は数倍と高い傾向がわかった。

 地表近くの火砕岩の層は、長年の風化や染みこんだ雨水などの影響で粘土のように軟らかくなっており、硬いままの下の層との境界付近で、表層部分が崩れるケースが多かったという。

 松四教授は「能登半島は海側が 急峻 きゅうしゅんで、傾斜が35度を超える斜面での崩壊も目立った。地質の弱さに地形の要因も加わったのではないか」としている。

産業技術総合研究所の宮地良典・副研究部門長(地質学)の話「火砕岩は広く分布しているが、特に北陸から東北の日本海側では形成された時代が古く、性質が変化して強度が落ちていることが知られている。こうした特性も、今回の崩壊に影響した可能性がある」

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