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小学生が7年前に見つけた歯の化石、現代のワニに近い種と判明…「研究成果につながりよかった」

読売新聞 / 2024年7月12日 13時29分

ワニの化石を基にした復元画。背骨の大きさから体長は約3メートルだと推定される=小田隆氏作、久慈琥珀博物館提供

 早稲田大と岩手県久慈市の久慈 琥珀 こはく博物館などは11日、同市にある約9000万年前(白亜紀後期)の地層から見つかったワニ類の化石を分析した結果、現代のワニに極めて近い仲間であることがわかったと発表した。歯の状況から久慈のワニは魚だけでなく、硬い骨格の生物を食べていたことも判明。カメや恐竜などを食べていた可能性もあるという。

 研究に使われた化石が発見された場所は、同館の琥珀採掘体験場と同大などが発掘調査を行っている隣接地の2か所。周辺ではこれまでに恐竜やワニ類、カメ類など3000点を超える化石が発見されており、日本の恐竜時代を解明する重要な発掘現場となっている。

 今回、同大データ科学センターの久保泰講師らのグループが、ワニ類の化石10点を分析。皮骨の特徴などから、久慈のワニ類は現代のワニの共通先祖に近縁な仲間であることがわかった。その上で、日本のワニが白亜紀の間、より現代的なワニへ移行したことを示す証拠だと結論づけた。

 さらに、ワニ類の歯化石36本を3次元データで分析したところ、歯に残された微細な傷から魚以外の硬い骨のある四足動物も食べていたことが示唆されたという。

 同大で開かれた記者会見には、研究に使用されたワニ類の歯化石を7年前に発見した親子も出席。当時小学生だった甲府市の高校1年生(16)は「当時は持って帰りたかったが、持ち帰らなかったことで研究成果につながってよかった。奇跡的なことで光栄です」と喜んだ。

 化石をテーマにしたまちづくりを進める久慈市の遠藤譲一市長は「産業振興だけでなく、学術研究にも参加し、県内外の人に発掘現場へ足を運んでもらえるよう取り組んでいきたい」と話した。

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