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1世紀以上も猛暑日知らず、涼しいまち勝浦…冷たい海風を誘客や移住の追い風に

読売新聞 / 2024年7月12日 8時10分

 暑い日が続く千葉県内で、勝浦市だけは観測開始以来110年以上、最高気温が35度以上の猛暑日になったことがない。「涼しいまち勝浦」を目に見えるかたちでアピールしようと、市は今年も市役所ロビーに、午後1時現在の気温を知らせる黒板ボードを設置した。観光客の増加や移住・定住促進の「追い風」を期待している。(当間敏雄)

 「やっぱり、涼しいね」。400年以上の歴史がある勝浦朝市を散策していると、そんな声が聞こえてくる。勝浦朝市の会の会長を務める江沢修さん(74)は「今年も多くのお客さんでにぎわっている」と笑顔で話す。

 銚子地方気象台によると、現在の勝浦市内で観測が始まった1906年以降、この地で猛暑日を記録したことはない。観測ポイントは県内に15か所あるが、猛暑日になったことがないのは勝浦だけだ。

 勝浦での最高気温は1924年8月23日の34・9度。昨年の最高気温は7月17日の34・5度だった。

 昨年は7月の平均気温が25・5度、8月は27・9度。比較的、過ごしやすい日が続いた。

 同気象台の担当者は「海からの涼しい南風の影響で気温の上昇が抑えられている」と指摘する。市職員も「リアス式海岸が多い地形のため、陸地近くの海が急に深くなっていて海水温が比較的低い。そこで冷やされた海風が陸地に入り込んで、気温の上昇が抑えられている」と話す。

 市は昨年7月18日、日中の気温を知らせるボードを初めて市庁舎1階ロビーに設置した。今年は6月26日から設置し、平日の開庁日、午後1時現在の観測値を市職員がチョークで記している。ホームページでは、「猛暑日知らずの勝浦市では、夏も涼しく快適に過ごせます」とPRしている。

 猛暑を避けようとする観光客は増えている。昨年の海水浴客数は、対前年比約1・7倍の17万7325人に上った。海中の景色を楽しめる水中展望塔のある勝浦海中公園でも、昨年度の訪問客数は約13万5000人で、前年度の約12万1000人から増えた。

 移住・定住の促進にも期待が高まる。市の人口は減少しており、5月末現在では1万5421人。一方で、市には2022年度、移住に関する問い合わせは約400件あり、21年度の1・6倍に達した。昨年度も約400件だった。

 先月の問い合わせは44件。過去3年の同月と比較して約2倍だという。

 照川由美子市長は「『過ごしやすい快適なまち』として関心を寄せていただき感謝しています。さらなる魅力発信で『勝浦ファン』を増やし、交流人口、移住定住の増加につなげていきたい」と話している。

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