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やり投げの意外と知らないルール…飛びすぎて変更したことも

読売新聞 / 2024年8月6日 16時43分

陸上・日本選手権女子やり投げで優勝した北口榛花(6月28日撮影)

 パリオリンピックの陸上女子やり投げでは、2023年の世界選手権で優勝した北口榛花(JAL)に金メダルが期待されている。達成すれば、やり投げだけでなく、投てき種目で日本女子初の快挙だ。やり投げとは、そもそもどういう競技なのか。その歴史や意外なルールなどを紹介する。(デジタル編集部)

 やり投げの歴史は古い。人類は、長い棒の先に石やとがらせた骨を取り付け、大型の獲物に投げて狩りをしてきた。こうした狩猟をルーツに古代ギリシャでやりの飛距離を競う競技が生まれた。古代オリンピックでは紀元前708年から行われたとされる。近代オリンピックでは1908年ロンドン大会で男子競技に、女子には32年のロサンゼルス大会で導入されて以来、実施されている。

 現在、使用するやりには細かな規定がある。重さは男子が800グラム(805~825グラム)で、女子は600グラム(605~625グラム)。NBAなど男子のバスケットボールで使用されるボールの重さがおよそ600グラムなので、女子のやりはそれと同じくらいの重さだ。長さにも決まりがあり、男子は2・6~2・7メートル、女子は2・2~2・3メートルで両先端に向けて徐々に細くなる紡錘形をしている。地面に刺さる頭部は金属製だが、柄の部分はファイバーや金属、木など様々な種類があるという。他にも重心の位置や柄の直径などが細かに定められている。重心の位置については、やりが「飛びすぎない」ように工夫されている。1980年代にやりが飛びすぎて100メートルを超え、競技場の芝生の外に出てしまうという問題が起きた。そのため、重心を前にすることで飛びすぎないようにした。現在、認定されている男子の世界記録は98メートル48だ。

 やり投げの競技スペースは意外と狭いかもしれない。助走路は、長さ30メートル超あるが、幅は4メートル。投てきラインの手前から28・96度の扇形の内側に投げなければならない。ちなみに砲丸投げもハンマー投げも円盤投げも34・92度。やり投げより広いスペースに投げることができる。やりの着地は頭部から着地したもののみが有効で、やり全体がフラットに着地したり、後部が先に地面に着いてしまったりした場合はファウルとなる。やりが着地するまでに投てきラインを越えるなどしても記録は無効となる。

 6回投げたうち、最も遠くに投げたものが記録となる。五輪などでは最初の3回が終わった時点で上位8人のみが4回目に進める。選手は自分の順番を告げられてから1分以内に助走態勢に入る必要がある。

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