福島で処理水放出後、初の海水浴シーズン…5市町8か所の海水浴場・風評被害防ぐ情報発信強化
読売新聞 / 2024年7月12日 22時0分
福島県内では今夏、5市町で8か所の海水浴場が開設される。福島第一原発の処理水放出が昨年8月に始まってから初めて迎える海水浴シーズン。自治体などは、海水の放射性物質の測定結果を掲出するなど、風評被害を防ぐ情報発信に力を入れる。(薬袋大輝)
県によると、東日本大震災前の2010年は、現在は閉鎖中の大熊や双葉、浪江などを含む8市町18か所の海水浴場が開設され、計約105万8000人の来場者があった。原発事故やコロナ禍を経て、23年は8か所で計10万8053人まで減少。昨年は特に猛暑の影響が大きく、22年(17万3900人)と比べても約4割減った。
さらに今季、関係者が気をもむのが処理水放出の影響だ。放出は昨年の海水浴シーズンが終わった8月24日に始まっており、いわき市の薄磯海水浴場で安全対策実行委員長を務める男性(71)は「モニタリングで海の安全性は確認されているが、どこまで影響があるかわからない」と不安げに話す。
男性は、安全性をアピールするため、海水浴場近海の放射性物質トリチウムの濃度を調べ、公表することを市に要望。市も、市内四つの海水浴場のうち国が定期的に調査している2か所以外について、独自に調査することにした。
海開きを前に環境省と市が行った調査では、いずれも検出限界値(1リットルあたり10ベクレル)を下回った。市は各海水浴場に看板を設置し、最新の数値を表示することにしており、市観光振興課の担当者は「数値を示すことで不安の
県内で最も早く海開きされる南相馬市では、初めて体験型のイベントなどを企画した。初日の13日、伝統行事「相馬
門馬和夫市長は8日の定例記者会見で「原発事故後の海水浴場の利活用は大きな問題だ」との認識を示し、「安全性を確認して適切な情報を提供し、多くの人に海水浴場を利用してもらえるようイベントなどを充実させている」と説明した。
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