巨人・若林が移籍後初のサヨナラ打、直前に坂本が進塁打…「本当にすごいし自分ならできるのかな」
読売新聞 / 2024年7月13日 6時0分
巨人3−2DeNA(セ・リーグ=12日)――巨人がサヨナラ勝ちで6連勝。八回に丸のソロで追いつき、九回に若林が適時打を放って試合を決めた。DeNAは終盤に救援陣が崩れ、連勝が3で止まった。
九回一死三塁。巨人・若林が「強気」で初球の変化球を捉えると、鋭い打球が左前で弾み、チームを今季最長タイの6連勝に導いた。殊勲の若林はお立ち台でこう言った。「坂本さんの進塁打が本当にすごいなと思って」。直前の打席で35歳の坂本が見せた意地の一打に刺激され、移籍後初のサヨナラ打につなげた。
若林が目を見張ったのは、この日初めて会った坂本の「引き出しの多さ」だという。九回無死二塁。坂本は全ての球にスイングを仕掛けた。初球のカットボール、その後のスプリットと3球連続でファウル。バットを短めに持ち、1球ごとにタイミングの取り方を変えた。最後は体近くにきた変化球を窮屈な体勢になりながらも、右方向に転がして走者を三塁に進めた。それを見た若林は、「自分ならできるのかな」と感心したという。
6月26日に出場選手登録を抹消された翌日、坂本は川崎市のジャイアンツ球場の室内練習場で1球ごとにバットで8の字を描きながらティー打撃に取り組んだ。「中学生の時からやっている練習法」だという。「いろいろやりながら、何か思い出せたら」。ファームでは炎天下の中、育成選手らに交じって走り込みもした。「スイングのキレ」を取り戻そうと懸命だった。
久々に戻ってきた一軍の舞台で、見逃し三振、中飛、中飛、二ゴロで4打数無安打。坂本は「結果が全て」と語った。よく「そんな甘い世界じゃない」と口にするように、最善を尽くしても結果が出る保証はない。それでも、長野や吉川ら主力は「(坂本が)いるだけで全然違う」と口をそろえる。やはり、通算2375安打を積み上げてきた右打者の存在は大きい。(財津翔)
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