松山城の土砂崩れ、木造住宅付近で発見の親子3人死亡を確認…足の不自由な両親を40代息子が介護
読売新聞 / 2024年7月13日 21時2分
松山市の松山城(重要文化財)の城山で12日未明に発生した土砂崩れの現場で、押しつぶされた木造住宅に住む90歳代の男性と80歳代の妻、40歳代の息子の3人が13日、見つかり、死亡が確認された。
市などによると、3人は同日午後、倒壊した木造住宅付近で見つかった。遺族の意向として、3人の氏名などは公表していない。捜索活動は断続的に雨が降る中、重機などを使って行われたが、他に行方不明者はいないとして終了した。
市は同日午後7時時点で、現場を含む清水地区の1万3226世帯(2万2062人)に避難情報で最も危険度が高い「緊急安全確保」(警戒レベル5)を発令している。3か所の避難所には計28世帯48人が身を寄せている。
松山地方気象台によると、松山市周辺では14日も大気の状態が不安定で、日中の雨量は多いところで50ミリと予想される。同気象台は「地盤の水分量が多くなっているところもあり、警戒してほしい」と呼びかけている。
土砂崩れは12日午前3時50分頃発生。城山(標高約130メートル)の北東側の斜面が幅約50メートル、高さ約100メートルにわたって崩れ、住宅やマンションの計4棟に流入した。
◇
現場付近の住民らによると、倒壊した木造住宅に住んでいた家族は数十年前からこの場所で暮らし、近年は足の不自由な両親を息子が介護していたという。
息子と小学生の頃から友人という松山市内の男性(50)は「子どもの時から決めたことは愚直に守る、いいやつだった。死亡が確認されたと聞いたばかりで、気持ちの整理ができない」と話した。
近くに住む男性(81)は「夫婦はあいさつするとにこやかに返事をしてくれた。助かってほしいと祈っていたのに、つらい」と声を詰まらせた。
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