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ウクライナ支援 NATOと役割の分担を図れ

読売新聞 / 2024年7月14日 5時0分

 北大西洋条約機構(NATO)が軍事面や財政面で、ウクライナへの継続的な支援を約束した意義は大きい。

 日本も非軍事の分野を中心に、ウクライナを粘り強く支えていく必要がある。

 NATO首脳会議が米ワシントンで開かれた。首脳宣言には「ウクライナ領土の違法な併合は決して認めない」と明記した。ロシアの占領を前提とする交渉には応じない姿勢を示したと言えよう。

 ウクライナが求めているNATO加盟については「後戻りできない」と盛り込んだ。

 加盟問題について、昨年は「条件が満たされた時に招く」との表現にとどまっていた。一方、ロシアのプーチン大統領は先月、停戦の条件として、ウクライナが加盟を断念することを挙げた。

 今回、NATOが「後戻りできない」と強調したのは、プーチン氏の考えに従うつもりはない、というメッセージである。

 首脳宣言にはまた、今年と同水準となる7兆円以上の軍事支援を来年も行う方針を明記した。加盟国の国内総生産(GDP)に応じて拠出することを義務づけ、年2回、各国が支援状況をNATOに報告することも決定した。

 支援の詳細な仕組みを決めたのは、仮に次期米大統領選でウクライナ支援に消極的なトランプ前大統領が返り咲いても、米国がこの枠組みから安易に離脱できないようにする狙いがある。

 戦況は、ウクライナにとって極めて厳しい。米国は昨年、総額9兆円に上る追加支援の予算案を議会に提出したが、与野党の対立で成立は今年4月にずれ込んだ。

 この間、ウクライナ軍は武器や弾薬が不足し、ロシア軍に東部の拠点を次々に奪われた。首都キーウは今月、大規模なミサイル攻撃を受け、小児病院などで多くの子供たちが命を落とした。

 ロシアがこのまま勝利すれば、今後、武力で領土を奪おうという勢力が世界各地に生まれかねない。ロシアの侵略を失敗に終わらせることが何よりも重要だ。

 ウクライナの要望を踏まえ、米製戦闘機F16のウクライナへの移送が始まった。今夏からウクライナ軍が運用するという。ウクライナ国内の制空権を取り戻せるかどうかが焦点となる。

 岸田首相は首脳会議で、攻撃型ドローンを検知するシステムや遠隔医療機器の供与など、具体的な支援策を表明した。日本は直接的な武器支援に制約があり、民生分野の支援を充実させる方針だ。

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