「大切な仲間のことを忘れたことはない」京アニ事件伝える碑が完成…社員がデザイン、宇治市内の公園に設置

設置された「志を繋ぐ碑」（１４日午前、京都府宇治市で）＝川崎公太撮影

　３６人が犠牲になった京都アニメーション放火殺人事件から今月１８日で５年となるのを前に、事件を伝える「志を 繋 （つな）ぐ碑」が１４日、京都府宇治市の公園に設置され、遺族や京アニ社員らが参加して報告会が開かれた。午後２時から一般公開される。

　碑は事件後に京アニに寄せられた支援への感謝を示す象徴として、京アニや遺族らでつくる「志を繋ぐ会」が制作し、宇治市内の「お茶と宇治のまち歴史公園」に設置された。犠牲者の数と同じ３６羽の鳥が空に向かって羽ばたく様子を京アニ社員がデザイン。犠牲者の名前は記されていない。

　報告会では、「事件から５年がたとうとしていますが、私たちは大切な仲間のことを忘れたことはありません」などとする京アニ社員らのメッセージが読み上げられ、京アニの八田英明社長が完成した碑の前で、宇治市の松村淳子市長に目録を手渡し、市に碑を寄贈した。今後は市が碑を管理するが、京アニは一般公開後の献花は控えるよう呼びかけている。

　事件は２０１９年７月１８日午前に京都市伏見区の京アニ第１スタジオで発生。京アニは今回の碑とは別に、スタジオ跡地に犠牲者の名前を刻んだ非公開の慰霊碑を設けるとしている。